アップル初の「ゴーグル型端末」は49万円、衝撃的価格に株式市場もショック!

 米アップルは5日、仮想現実(VR)と拡張現実(AR)に対応したヘッドセット端末「Apple Vision Pro」を発表した。「Mac」や「iPhone」に続く10年ぶりの大型新製品という位置づけだが、3499ドル(約49万円)という価格設定には「No!」を突きつける声も少なくない。

「全く新しいプラットフォームの始まりとして発表されたVision Proはゴーグル型のヘッドセット端末で、M2チップを搭載してスタンドアロンで利用することができます。臨場感のある大画面で映画やスポーツ、ゲームを楽しめ、MacやiPhoneとワイヤレスで接続して、様々なアプリと連動することも出来るのです。視線や手、声を使って操作するためコントローラーはなく、非常にデザイン性も高く、さすがはAppleといったところでしょうか」(ガジェット系ライター)

 2024年の初め頃に米国での販売が予定されているが、この製品の大きな問題点とされているのがあまりに高すぎる価格だ。発表前には価格は3000ドル(約42万円)前後と予想されていたため、3499ドルであることが明らかになるとAppleの株価が約3%下落するほど、市場にも大きなショックを与えている。

 すでにARやVRの端末は数多く発売されているが、普及が進んでいるとは言い難い状態で、業界のトップランナーであるMeta社のQuestシリーズも、近年は上位機種「Quest Pro」を1499ドルから999(約14万円)ドルに値下げしてユーザーの取り込みを急いでいる。普及版の「Quest2」なら299ドル(約4万2000円)だ。そのため50万円近い値段のVision Proは「売れない」と指摘する専門家も少なくないのだ。

「Vision Proは“Pro”という名前だけあってハイエンドモデルとなっていますので、そもそもそこまでのヒットは狙っていないのではないでしょうか。だいたいアップルのファーストモデルというのはアーリーアダプター向けのマニアックなものが多く、反応を見てから取捨選択してミドルクラスやローエンドの商品が誕生するという流れになると思われます。実際にVision Proを触った人たちからは好意的なリアクションも多く見られますし、今後VRやARが普及する礎となる商品になってくれたらいいですよね」(同)

 我々庶民は後々に発売されるであろう廉価版の登場を待とう。
 
(小林洋三)

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