アップルのPC出荷台数が激減!「高すぎる」以外の原因とは

 市場調査会社IDCの最新レポートで、2023年第1四半期(1~3月)の米アップルのPC出荷台数が前年同期比で40.5%と大幅に減少していたことが分かった。相次ぐ値上げによって高額になりすぎていることから、Mac離れが進行していることを指摘する声もあるが、実際のところはどうなのか。

「IDCによると、すべてのPCメーカーの合計出荷台数が29%減の5690万台となっていて、新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要がPC業界全体で消失したことが大きな原因と見られています。ただ、アップルの出荷台数の落ち込みは他社をはるかに上回っており、2番目に数字の悪かったデル・テクノロジーの31%減より10%近く上を行っているんです」(デジタルライター)

 ガジェットの国際的な価格比較を公開しているNukeniの調査では、アップル製ノートPC「MacBook Pro」は37カ国中27カ国で値上げされ、日本の同製品のエントリーモデルでも最新モデルは21年のものと比較して20%以上の値上がりとなっている。

「アップルのPCはもともと他社製品よりも高い価格設定のため、昨年の原材料費の高騰による値上げで手が出にくくなっているのは確かです。また、Macはここ最近大幅なモデルチェンジをしていないので、それも買い控えの原因になっていると思われます。さらにIDCの調査によると、世界で出荷されたタブレット端末の販売台数は減少しているのですが、アップルのiPadだけは出荷台数が増加している。最近のタブレット端末はPCと変わらないくらいの性能を持つため、MacよりiPadを選ぶ人が増えているのかもしれません」(ITジャーナリスト)

 しばらくMacの販売台数は苦戦が続くかもしれない。

(小林洋三)

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