WHO、矛盾だらけの「中国擁護」姿勢で世界に拡がる不信感

 もはや世界保健機関(WHO)は、噂される中国の傀儡どころか、機能不全に陥っているのか。日々深刻度を増す新型コロナウイルスへの対策について、もはや支離滅裂ともとれるメッセージを発している。

 WHOでは3月18日、新型コロナウイルスを「中国ウイルス」と呼ぶといった言葉の使い方に注意すべきと指摘。緊急対応チーム長のマイケル・ライアン氏は「ウイルスに国境は関係なく、人種や肌の色、銀行預金の残高など気にも留めない」と発言し、トランプ米大統領が「中国ウイルス」や「武漢ウイルス」と呼ぶことに釘を刺した形だ。

 新型コロナウイルスの呼び方を巡って米中が非難し合う状況となっているなか、WHOの態度が中国寄りと批判されるのは致し方ないところ。ただ、WHOではそんな呼び名の問題よりもはるかに意味不明なメッセージを発したというのである。

「中国政府の傀儡と揶揄されるテドロス事務局長は18日、『あなたが感染しないと思い込まないでください、感染すると思って準備してください』と各国に呼びかけました。この発言自体が、世界中に恐怖を広げるという批判が沸き起こるのも当然でしょう。しかもテドロス氏は集団感染を防ぐ一番の方法として、『感染の疑いがあるすべての人たちに対して隔離、検査、治療と感染の追跡を行うべき』と語ったのです。そのアイデアがいかに荒唐無稽なのかはもはや、小学生でも分かる話ではないでしょうか」(週刊誌記者)
 
 21日時点で世界全体の感染者数は26万人を突破。しかしテドロス氏はすべての人に感染の可能性があると指摘しており、その数が100万人や1000万人、そして1億人という桁に達する事態をも想定すべきだろう。

 その時、感染の疑いがあるすべての人々を隔離して検査するとなると、いったいどれだけの医療スタッフが必要となるのか。現時点ですでに各国での医療崩壊危機が叫ばれるなか、WHOの事務局長が自ら医療崩壊へのアクセルを踏むような発言を繰り出すのはもはや理解不能と言っても過言ではないだろうか。

「パンデミックの感染源となった中国では、武漢市のある湖北省で新規感染者数が3日間連続でゼロ人になったという(20日時点)。そして中国全土でも新規は41人に過ぎず、これなら感染の疑いがある人すべてを隔離、検査する余裕もありそうです。しかし、この封じ込めは人口1000万人の武漢市を始め、あらゆる都市を厳重に封鎖した結果であり、事実上の独裁国家の中国だからこそ可能になったもの。一方でテドロス氏は世界中が中国を見習うべきといった趣旨の発言もしており、民主主義で運営されている国際機関の長が独裁国家を称賛するという笑えない事態となっています。そんなテドロス氏に対しては世界中から、今回のウイルスを『武漢テドロスウイルスと呼べ』という声まで巻き起こってしまうのも無理はありません」(前出・週刊誌記者)

 WHOに勤務する職員のほとんどは、全身全霊で新型コロナ対策に奮闘しているはず。その努力をトップの言葉で台無しにしてしまうことはあってはならないはずだ。

(北野大知)

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