防御率トップ&完投数ダントツ!日本ハム「投手王国」の裏に“頭脳派”金子千尋2軍投手コーチあり

 現在、防御率はリーグトップ、完投数19(※7月14日終了時点)は12球団ダントツ1位の新庄剛志監督率いる日本ハム。この完投数は、過去15シーズンの中でも2011年の楽天(23)とソフトバンク(21)、18年の巨人(21)に次ぐ多さ。残り試合数を考えると、これらの数字を上回るのは時間の問題だろう。

 しかも、今季の日本ハムの先発陣は、伊藤大海、加藤貴之、山崎福也、北山亘基、金村尚真、達考太、細野晴希などが揃い、先発のコマ不足に悩む球団が多い中、“ゆとりローテンション”と羨まれるほどだ。さらに7月13日に今季初登板で初勝利を挙げた福島蓮、ファームには後半戦での復帰が予想される古林睿煬をはじめ、22・23年シーズンに先発として3勝ずつマークした根本悠楓、昨年メジャーから復帰したバーヘイゲンも控えるなど盤石の体制を築き上げた。

 そんな次々と新戦力が台頭する日ハム投手陣を支える立役者のひとりと言われているのが、金子千尋2軍投手コーチ。野球ファンならこの名前を聞いてピンと来た人も多いと思うが、06~22年のプロ17年間で通算130勝を挙げ、オリックス時代の14年には沢村賞、パ・リーグMVP、最多勝、最優秀防御率とタイトルを総ナメにしている。

 現役時代から頭脳派投手として知られ、引退翌年の23年は日ハムの特命コーチとしてテキサス・レンジャーズにコーチ留学。メジャーのコーチングやデータの活用術のほか、シアトルにある多くの現役選手が通う自主トレ施設ドライブライン・ベースボールでも最新のトレーニング理論を学んでいる。

「24年シーズンから日ハムの2軍投手コーチに就任し、達や細野、5月に育成から支配下契約を勝ち取り、即1軍のリリーフ投手として活躍した台湾人の孫易磊なども金子コーチの薫陶を受けた選手のひとり。特に達は昨オフ、ドライブラインで自主トレを行っていますが、これは金子コーチのアドバイスが大きかったようです」(スポーツ紙記者)

 さらに限界説が囁かれていたベテラン中継ぎ左腕・宮西尚生が新たな決め球チェンジアップにより再生したのも、また昨シーズン、ファームに降格してその後復活を遂げた守護神・田中正義も金子コーチの存在が大きかったと言われている。

「金子コーチは指導者に転身して3年目ですが、かつて日ハムの投手コーチを務め、球界を代表する名コーチと評される佐藤義則氏、現ロッテ監督の吉井理人氏にも実績面では負けていません」(同)

 金子コーチがいる限りは、日本ハムの投手陣は当分安泰なのかも。

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