【巨人】元DeNA乙坂智の「過去のやらかし」にも目をつぶった緊急補強ドタバタ劇

 巨人が外野手の緊急補強に踏み切った。新たに加わったのは、元DeNAの乙坂智外野手。入団テストを経て、半年契約・年俸約400万円(金額は推定)で選手契約が結ばれた。

 阿部慎之助監督は乙坂の入団テストに自ら足を運び、「いろんな国でプレーしていたのは知っていた。戦力になると思ったから(テストを)やってもらった」と語り、今回の補強が監督主導であったことを明言。メキシコやアメリカでもプレー経験のある乙坂の“即戦力性”に期待を寄せている。

 巨人は現在、首位を独走する阪神とのゲーム差が開き、自力優勝の可能性が消滅する瀬戸際にある。乙坂の獲得は、その起爆剤としての意味合いも大きい。

 開幕前に“打てる助っ人”として期待されたキャベッジが長期不振に陥る中、7月12日にはチェコ出身のマレク・フルプ外野手を育成から支配下登録したばかり。それに続く補強として、乙坂獲得が決まったわけだが、ある球団関係者は「本当は米国で打てる外野手を探していたが、思うようにいかなかった。そのため、フルプの支配下登録と乙坂の加入で外野層のテコ入れを図った」と明かしている。

 ただし、乙坂には過去の“素行”を不安視する声もある。DeNA在籍中の2021年、新型コロナウイルス感染拡大の中で球団が外出自粛を要請していたにも関わらず、渋谷のクラブでの“夜遊び”が週刊誌に報じられ、オフに事実上の戦力外通告を受けた経緯がある。

 巨人といえば「球界の紳士たれ」を掲げる球団だが、今回の獲得はそうした“伝統”を脇に置いた、なりふり構わずの緊急補強と言える。

(小田龍司)

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