大相撲名古屋場所での優勝力士パレード用オープンカーに、再びトヨタの高級車「センチュリーSUVオープンカー(約2500万円相当)」が使用されることが決定した。
このセンチュリーSUVオープンカーは、2024年初場所から導入された話題の車両。導入の背景には、元横綱・白鵬(当時は宮城野親方)とトヨタ自動車の豊田章男会長との親交があるとされており、「白鵬さんが豊田会長に直接頼み込んで実現したもの」と相撲担当記者は語る。
しかし、白鵬氏が相撲協会を退職したことにより、同車の継続使用に黄信号が灯っていた。というのも、センチュリーSUVはトヨタが所有する車両であり、「白鵬氏がいなくなった今、豊田会長としては引き上げも検討していた」という関係者の声もある。
それでも今回、名古屋場所での続投が決定したのは、白鵬氏が再度、豊田会長に直談判したことが大きいとされる。
なお、相撲協会としては「特定の車にこだわる理由はない」という立場。過去、名古屋場所では1961年から2015年まで個人所有の米国製リンカーン・オープンカーが使用され、東京場所では18年からメルセデス・ベンツ S550 カブリオレ(約2000万円)がパレードカーとして採用された。さらには、クラウンや自治体の公用車が使用されたケースもあるという。
相撲協会OBも「パレードカーは提供する側がメンテナンス費などを負担するのが通例。協会としてはどの車でも問題ない」と語るように、車種の選定は柔軟に対応可能な状況だ。
白鵬氏の退職に不満を抱いていたとされる豊田会長の今後の動向次第では、センチュリーでのパレードが見納めになる可能性もあるが、果たしてどうなるか。
(小田龍司)