2年連続最下位の日本ハムがオープン戦で好スタートを切っている。2月27日、沖縄キャンプでの最後の一戦となった巨人との練習試合では3-5と敗退したものの、これが今季実戦9戦目での初黒星(7勝1分1敗)。新庄剛志監督は「一回ぐらい負けておかないと気持ち悪いでしょ?」と余裕の笑顔だった。
「2年連続最下位は指揮官である新庄監督の責任は大きいのですが、球団は早々に続投を決めていました。新球場効果もあって観客動員は大幅増、営業利益は26億円を超えましたからね。親会社の日本ハムもホクホクですよ」(夕刊紙記者)
日本ハムを長年苦しめていた札幌ドームの家賃(年間使用料)は13億円。それから考えれば、最下位でも自前の球場を作り新庄監督で“話題”を独占させる手法は大成功だったというわけだ。さすがに3年連続最下位となれば去就が危うくなりそうだが、球団では「長期政権も視野に入れている」(日本ハム担当記者)という。
「派手な面ばかりが注目される新庄監督ですが、極めて真面目野球に取り組んでいる。コロナ禍が終わってもマスクを着用しているのは12球団で新庄監督だけですが、これは口元の動きで相手にサインを悟られないため。稲葉篤紀GMから気をつけた方がいいと指摘され、着け続けています」(同)
加えて、スポーツ紙などでは派手コメントばかり使われているが、
「『現役時代から優勝したいなんて思ったことは一度もなかった。人のために生きようなんて考えたこともなかった。今は違います。監督になってから選手のために、球団のために生きようと思っている』なんてことを真顔で言うんです」(別の日本ハム担当記者)
本音と建前を絶妙に使い分けている監督なのだ。ちなみ日本ハムはこのオフ、大型補強を敢行。オリックスから山﨑福也投手、メジャー108本塁打のフランミル・レイエスを巨人との争奪戦に勝ち獲得している。開幕ダッシュに成功すれば台風の目になる可能性も十分あるが、果たして。
(小田龍司)