元SMAP・中居正広氏の女性トラブルを巡って、人権意識の薄さや危機管理の甘さを露呈し、企業風土の問題も指摘されるフジテレビ。詳細は第三者委員会の調査待ちとなっているが、2月15日配信の「日刊ゲンダイDIGITAL」によれば、同局ではセクションごとに社内アンケート調査を実施。社員に示された結果を見ると、改めて非常識な社風が明るみとなった。
「同局の報道局で行われた『セクハラ・パワハラ・モラハラ調査』の結果によれば、約3割の報道局員が職場での卑猥な会話を経験し、職権を振りかざした交際の強要やデートの誘いを受けていたという。全社での割合はこれよりやや下がりますが、それにしても異常な環境だったと言わざるを得ません」(エンタメ誌記者)
社員たちがこうしたハラスメントに直面していた一方で、番組制作スタッフの「感性」についてもこれまで何度も疑問符が付く場面があった。今思えば、もはや悪ふざけでは済まされないレベルのものも…。
「2013年に放送されたドラマ『最高の離婚』では、東日本大震災が発生したという設定の中、登場人物の名刺に『津波ラッキー』というメールアドレスが記載され、不謹慎なネーミングに視聴者からは激しい批判が巻き起こりました。同じく震災をテーマにした16年放送の有村架純主演ドラマ『いつかこの声を思い出してきっと泣いてしまう』では有村が病院を訪れるシーンにて、放射能科と書かれた場所が一瞬、映り込んだのです。放射線を用いた診断や治療を行う放射“線”科ならば珍しくありませんが、実際の病院で放射能科というのは聞いたことがない。『福島への風評被害に貢献してる』と怒りの声をあげている人も少なくありませんでした」(芸能記者)
フジテレビといえば、韓国寄りの報道が物議を醸したものだった。
「21年の東京五輪では、フェンシングで金メダルを獲得した日本選手団を祝う特集の中で、なぜか韓国の選手が混じった映像を放送。視聴者からは『意図的な演出ではないか』と疑問の声が。さらに、フィギュアスケートの浅田真央に対しても、彼女の転倒シーンを等身大パネルにして、なおかつ足を短く加工。それを本人の前に展示したことで、スポーツ選手に対する敬意を欠いた行為だと非難されました」(前出・芸能記者)
遡ると、1991年に放送された「とんねるずのみなさんのおかげです」では、木梨憲武が体調不良で一時休養し、番組復帰が決まった回で、スタッフは木梨の復帰を「追悼番組」のように演出。番組内では、木梨の遺影風の写真が登場し、背景には菊の花が飾られていた。冗談のつもりだったのかもしれないが、不謹慎極まりないとしか言いようがない。
「フジテレビは過去に何度も不謹慎な演出を行い、そのつど視聴者から激しい反発を受けてきました。しかし、同局の体質が大きく改善されたという話は聞こえてこなかった」(テレビ関係者)
ハラスメントのみならず、制作面でもフジテレビの意識は変わっていくだろうか。