フジテレビは入社5年目の山本賢太アナウンサーが過去に違法オンラインカジノを利用していたことを発表した。発覚後は、担当している昼の生放送バラエティ番組への出演を見合わせている。山本アナ本人も「自らを厳しく律して参ります」とコメントしたが、少なくともアナウンサー職からの異動は避けられないだろう。
フジテレビは元SMAP・中居正広氏の女性スキャンダルをめぐり批判が集中。1982年から1993年まで12年連続で視聴率三冠を達成し、“民放の雄“として栄華を極めていたのも、今や昔の話だ。
実はフジテレビでは男性アナウンサーの人材難どころか、人員不足という深刻な事態にも直面している。中居氏のスキャンダルが表面化するより前の2022年、フジテレビは早期退職を実施し、多くの人材を失っている。アナウンス部長のキャリアを持つ野島卓アナ、競馬中継で人気があった福原直英アナ、朝の情報番組「どくダネ!」などで活躍した笠井信輔アナ、五輪やサッカーW杯の中継実況で活躍した西岡孝洋アナらが相次いで局を去った。
「女子アナだけでなく、在職していれば主力番組に担当していたであろう男性アナウンサーが立て続けに退社している状況は他局には見られない異常事態だ」(フジテレビ関係者)
山本アナのオンカジ利用は言語道断だが、他局のディレクターはこう指摘する。
「フジテレビに限らず、民放各社は地上波だけではなくBS、CS波にもアナウンサーを配置しなければならない。これだけ辞められると、番組を組むのも難しい」
実際、「アナウンサーの負担が過剰にならないように、勤務体制を調整するのが大変になっている」(フジテレビ関係者)という声も聞かれる。
今月25日にはフジテレビを傘下に持つフジ・メディア・ホールディングスの株主総会が控えている。山本アナのオンカジ問題はタイミング的にもイタすぎる不祥事になった。
(小田龍司)