史上最も売れないとの前評判もあった「iPhone15」シリーズだが、その予想を覆して好調なスタートを切ったことで専門家たちを驚かせていた。しかし、ここにきて販売は急失速しており、中国では最大1500元(約3万円)も値引きして販売されていることが分かった。同シリーズが売れなくなったワケとは?
iPhone15シリーズは全世界でのスマートフォン出荷台数が過去10年で最低となる中、USB-Cの搭載以外に14シリーズから大きな変更もなく予約販売をスタートさせた。それに加えて、中国では政府機関職員や国営企業の職員に対してiPhone使用の禁止令を出したとの報道がなされたこともあり、多くの評論家たちは同シリーズの売れ行きに対して厳しい見方を示していた。しかし、大方の予想を裏切って15シリーズの出足は好調で、前シリーズが発売された時よりも入手しづらい状況となっていたのだ。
ただし、その勢いは長く続くことはなく、発売から1ヶ月で中国では早くも値引き販売が行われている。ロイターが報じたところによると、iPhone15の512GBモデルはアップルの小売価格である8999元を1501元下回る7498元(約15万4000円)で販売されており、15Plusの128GBモデルは小売価格6999元を901元下回る6098元(約12万5000円)で販売されているという。
「15シリーズの急失速は様々な要因が考えられますが、一番大きかったのは相次ぐ不具合があったことではないでしょうか。発売直後に持てなくなるほど本体が熱くなりすぎるという報告がネット上に相次ぎ、アップルはこれをソフトウェアアップデートによって解消しました。しかし、その後もWi-Fiの接続障害や液晶にムラが出来るといった不具合が次々と報告されており、購入を検討していた人たちからは《次に発売されるシリーズを待つことに決めた》といった声が多く見られたのです」(ITジャーナリスト)
アップルは中国からインドへ生産工場を移管しているが、相次ぐ不具合はその影響もあるのかもしれない。
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