阪神の特別補佐(以下=SA)の肩書を持つ藤川球児氏が近く渡米し、外国人選手の調査に乗り出すという。
前ヤンキース3Aスクラントン・ウィルクスバリの投手、コルテン・ブルワーの緊急獲得も伝えられているが、藤川氏の渡米目的は「来季」。日本球界向きの選手発掘とネットワーク構築のためだ。
「今季獲得したB・ケラーが故障続きで、登板のメドが立ちません。キャンプに合流したころから練習態度にも問題があり、事実上の構想外となりました」(在阪メディア)
開幕時は守護神候補だったビーズリーは先発に転向、K・ケラーは開幕から一軍登録を守り続けているが、登板数20試合と少ない。野手陣に目を向けても、ノイジー、ミエセスは安定感に欠ける。その意味では、今から来季に備えるのは当然かもしれない。
「岡田彰布監督は外国人選手に恵まれていません。第一次政権での5年間で、戦力として貢献してくれたのは、ピッチャーではジェフ・ウィリアムス、バッターではシーツだけ。アリアスは岡田政権では1年だけだったので」(球界関係者)
さらに付け加えれば、ウィリアムスは前任監督時代に獲得した投手で、広島を経由して移籍してきた。岡田政権下で獲得した外国人選手はあまり活躍していない。
阪神球団は監督が交代してもフロント組織を変えることはない。外国人選手獲得の際はその時々の監督にデータや映像を見てもらって最終意見を聞くが、調査ルートは変わらないので、岡田監督はやはり「運がない」と言えそうだ。
「現役時代の岡田監督は、英語が堪能な夫人を介してバースの家族とコミュニケーションを取ったり、歴代外国人選手の家族の買い物や電車移動などのサポートもしてきました。阪神の歴代外国人選手はみんな、岡田監督に感謝していますよ」(ベテラン記者)
なのに、報われないとは…。藤川氏は今回の渡米のために、メディア出演のスケジュールを一部変更したという。藤川氏も岡田監督の外国人選手に対する気配りを知っているからだが、阪神はいまこそ渉外ルートを本格的に見直すいい機会かもしれない。
(飯山満/スポーツライター)