阪神・佐藤輝明が「三振王」から覚醒した激変ポイント

 プロ野球開幕から約1カ月が経ち、セ・リーグでは阪神がまずまずのスタートを切った。藤川球児新監督のもと、ついに覚醒したと言われているのが、5年目を迎えた“サトテル”こと佐藤輝明だ。ここまで(4月29日終了時点)、打撃2部門(本塁打、打点)で巨人の4番・岡本和真と争っている。本人も「ここまでいい感じで打てている」とご満悦で、4月は自身の月間最多本塁打(7本)をすでに超え9本となっている。

「昨季はシーズントータルでわずか16本。阪神ファンからも“三振王”と揶揄されていた姿は現在のところ全く見られません」(阪神担当記者)

 好調の理由を阪神OBはこう語る。

「逆方向(レフト)への打球をあえて増やしていること。狭い神宮や東京ドームでも、これまではどんなボールにも“マン振り”(フルスイング)していましたが、今季は状況に応じた打撃ができている」(阪神OB)

 開幕前は「3番・佐藤、4番・森下翔太」が藤川監督の構想の基本とされていたが、4番に座ってからは本人の打撃がより「本塁打」を意識したものになった。このペースで量産すれば、50本超えは確実だ。

「2022年に村上宗隆(ヤクルト)が三冠王を獲得して以来、セ・リーグで50本超えは出ていない。その村上は負傷で長期離脱中。少なくとも本塁打王に向けては視界良好です」(前出・記者)

 球団生え抜きの本塁打王となれば、1984年の掛布雅之氏(現OB会長)以来、実に41年ぶりとなる。球団創設90周年のメモリアルイヤーで、佐藤が主役になりつつある。

(小田龍司)

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