阪神・広島「遺恨試合」手打ち後の両監督コメントにSNSの反応は

 4月16日~18日に甲子園で行われた阪神―広島の首位攻防3連戦。16日の第1戦は阪神が2―4で黒星を喫して首位陥落。17日の第2戦は5―2で白星を挙げ首位に返り咲き、18日の第3戦も3―1で白星を飾りゲーム差を1.5に広げた。

 この3連戦では、勝敗以外のところでも思わぬ注目ポイントがあった。試合開始前に両監督がホームベース付近で行うメンバー表交換である。

 第1戦のメンバー交換では、阪神時代は元チームメートだった新井貴浩監督、藤川球児監督が視線を合わせることなくメンバー交換を終えた。通常、両監督が笑顔で言葉を交わすことも多いが、この日、新井監督はいっさい視線を合わせようとせずに立ち去った。

 これにネットは騒然。4月20日の試合の因縁だろうとの声が集まった。この日の甲子園での前回の3連戦最終戦では、8回に広島・岡本駿投手が阪神・坂本誠志郎捕手に頭部死球。藤川監督が血相を変えてベンチを飛び出し、一時、両軍が入り乱れる騒ぎに。審判は警告試合を宣告して岡本は危険球退場となったが、16日の試合はそれ以来の対戦だった。

 第2戦のメンバー交換でも、2人とも目を合わさずかたい表情でベンチに引きあげた。しかし第3戦では、視線を合わせて握手。この“和解”の様子に両チームのファンから拍手と歓声があがったのである。

 3戦目の試合後、新井監督は1、2戦で視線を合わせなかったことに初めて言及。死球騒動について触れ、「前回ああいうことがあって、こちらとしては謝罪をしてたんだけどね。ああいうふうに来られたら、自分もチームを預かる者として、また年長者として、腹に据えかねるものがあったので」「(岡本投手は)ルーキーだしね。外の変化球がすっぽ抜けてしまったので。それについても謝罪はしてたんですけどね」と説明。一方の藤川監督は「質問として上がること自体が会見としてはふさわしくないんじゃないかと。今の質問に関してはファンの方もたくさんいらっしゃいますから、そこはあんまりするべきじゃないのかなと思いますけどね」とコメントを避けている。

 両監督の反応についてSNS上では「藤川のほうが大人やね」「新井監督からすればルーキーの変化球がすっぽ抜けた程度であそこまで激高されて気分を悪くするのも分かる」「元同僚だし、裏ではお互い承知したうえでのパフォーマンスだと思いたいところ」など、さまざまな意見が見られた。

 ともかく表面上でも“手打ち”が済んでよかったが、これだけメンバー表交換が注目されることも珍しい。

(鈴木十朗)

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