今年監督が交代した阪神の話題があまり聞こえてこない。藤川球児新監督は「負けたら、僕の監督力がなかったということ」と余裕の構えだ。キャンプでも選手との接触を極力避けているようにみえる。
「結果は大事なのですが、まずは長期政権に向けての足場固めといったところではないでしょうか」
というのは阪神担当記者だ。阪急からきた角和夫前会長の鶴の一声で誕生した岡田彰布前監督の体制に終止符が打たれたことで、
「監督人事も全てが阪急側でなく阪神側の意向で進められて、藤川氏に白羽の矢が立った。岡田さんは現役時代、オリックスにトレードに出されていますからね」(同)
阪神はこれまでもお家騒動が日常的にあった。うるさ型の多いOB会も球団運営では無視できない存在。そこでOB会会長も退任する川藤幸三氏から“ミスタータイガース”こと掛布雅之氏が引き継いだ。これがなんと14年ぶりの交代である。
今年創設90年を迎える阪神だが「球団100周年までカケ(掛布氏)にはやってもらいたい」と川藤前会長から長期政権の確約を得た。藤川タイガースのキーマンは掛布氏ともみられている。両者の蜜月関係は有名だ。
「藤川監督は昨年まで巨人系のスポーツ報知の評論家でした。監督就任にあたってこのポストを掛布氏に譲っています」(夕刊紙記者)
2人はチーム構想でもコミュニケーションをとっている。監督とOB会長がここまで近い関係は過去の阪神ではなかった。
「藤川監督は打順について3番佐藤、4番森下、5番大山という構想がある。これに掛布さんも『僕もそう思っていた』と発信しています。藤川タイガースの応援団ですよ」(阪神担当記者)
勇退した岡田前監督も球団オーナー付き顧問に就任して宜野湾キャンプを訪問。藤川阪神は盤石のバックアップで開幕を迎えようとしている。
(小田龍司)