阪神が6月12日、ベルーナドームでの西武戦に逆転負けを喫した。これで同カード3試合連続の逆転負けとなり、ファンからは藤川球児監督の采配への不満の声が聞こえてくる。
10日は先発の才木浩人が6回を4安打無失点。2-0でリードしていたが、8回に登板した桐敷拓馬が被安打5、4失点で逆転された。11日は今季初先発の伊藤将司が8回途中4安打無失点と好投。2-0で9回を迎えたが、湯浅京己が1死満塁のピンチを招くと、ここで交代した岩崎優が同点の2点打を浴び、さらに2死満塁となって、炭谷銀二朗にサヨナラ打を浴びた。
この2試合はいずれも勝ちパターンに持ち込んでいたのに、継投の失敗で逆転負け。これにSNS上では「昨日今日と完全に藤川監督の采配ミス」「才木の交代が少し早すぎたかなぁ」「湯浅で行った理由がわからない 抑えは岩崎じゃないのか」「申告敬遠多すぎ」などとファンの厳しい声が集まった。
さらに3戦目では、森下翔太の先制弾が出たのに“スミ1”でまた逆転負け。4回1死二塁では平沼翔太の打球を左翼手・森下が後逸。3点を追う8回1死満塁、一発出れば逆転の好機に佐藤輝明がまさかのけん制死で反撃チャンスを潰すなど、攻守のミスが目立ち、これも前2戦の負けが尾を引いていたとの見方がある。
阪神OB・藪恵壹氏はスポーツ紙で藤川監督の采配について苦言を呈している。
「一番目を向けなければいけないのは、初戦、2戦目の継投。ベンチのミスにより、白星を2つも失った。そして、その原因は『動きすぎ』だと思う」
「投手は“自分がどのポジションで投げるのか”を明確にしてもらったほうが力を発揮できる。守護神(9回)なのか、セットアッパー(8回)なのか。8、9回を投げる投手と、6、7回を投げる投手では、出番も内容も大きく変わる。ところが、例えば及川雅貴は初戦は7回、2戦目は8回。行ったり来たりだ」
セ・リーグ首位を走る阪神。交流戦では、阪神が負けた日はほかのセ・リーグのチームも負けることが多く、2位とはまだ2.5ゲーム差ある。これから立て直しができるのか、藤川監督の手腕が注目される。
(鈴木十朗)