「一般的に“今日”といえば1日の仕事が終わる夕方までか24時までと考えるが、(私は)“今日”を翌朝5時までと考えて仕事を行っている。幼い時から徹夜で働くことが習慣になり、一つの生活法則として体質化された。静かな夜に思索に集中することが最も良く、夜を明かしながら悩みが解決すれば気分が爽やかになる」
北朝鮮・朝鮮労働党の機関紙、労働新聞は25日、「偉大な親の一日」という記事を掲載。かつて金正恩氏が東海岸の水産事業所を視察した際、深夜2時にもかかわらず関係者から熱心に漁獲量報告を受けていたとの逸話を紹介。冒頭の談話とともに「休息も後回しにして身をささげる偉大な親」と大々的に報じている。
実は、北朝鮮メディアでは、過去にも金氏が「夜型体質」であるとの情報を度々伝えており、
「昨年10月に放送された朝鮮中央テレビの記録映画『人民の慈父』では、専用列車で移動する金氏の姿を映し『片時も眠らず業務を行っている』と伝えていますし、今年1月の労働新聞でも『偉大な党がわれわれを指導する』というタイトルで、金氏が人民のために不眠不休で働いているという記事を掲載しています。ただ韓国情報当局はまったく別の見方をしていて、不眠の原因はストレスや健康異常があるからだとみている。また、身辺の脅威を感じて非常に悩んでおり不安で夜も眠れない、と韓国・国国家情報院は分析しています」(北朝鮮ウォッチャー)
たしかに金氏の場合、過大なストレスがかかると不眠になり、結果、深夜の飲食が増え、それが体重増加に繋がってしまうというのがパターン化しているようだ。
「国家情報院の分析によれば2012年、初めて表舞台に登場した金氏の体重は90キロ程度。その後2014年には120キロに激増し、ダイエットを試みて一時は減少したものの、ミサイルを連発して発射するようになった昨年以降、130キロまでリバウンドしたと推測されています。その激太りの原因が、不眠症から来る暴飲暴食だとされているんです」(同)
ストレスを解消する意味合いもあってか、かつては金正恩氏が深夜に1人で車を運転し、関係先を視察して回ったと伝えられたこともあった。
「実際、昨年1月には平壌の『紋繍遊泳場』の建設現場を、完工間近の深夜に1人で訪れたことを労働新聞が報じています。さらに平壌市民の間では以前から『元帥様が、夜中にこっそり愛車のベンツに乗って平壌市内を流している』といった、まるで“暴れん坊将軍”のような噂があり、ウソかマコトか、金氏が運転するベンツを抜き去った軍の高官が悲惨な運命を辿ったという『最強の走り屋』伝説も残されています」(同)
しかし、昨今では身辺の脅威から「深夜のドライブ」もままならず、それが更なるストレスをためる要因になっているという。
さて、27日にもミサイルを発射した北朝鮮。「徹夜をしながら悩みが解決すれば気分が爽やかになる」という金委員長が、安眠できる日は…。
(灯倫太郎)