金正恩「コロナ暗殺情報」で大パニック(下)CIAは金正恩を狙っている

 しかし表面上、北朝鮮は今回の新型ウイルスに対する対策は万全だと強調しているが、その内情は、激しいパニック状態に陥っているというのだ。

 北朝鮮ウオッチャーが語る。

「金委員長は今、『暗殺』の2文字におびえ、大パニックに陥っている。2月末、朝鮮中央通信は党副委員長を務める李萬建氏と朴太徳氏が解任されたことを伝えたが、疑心暗鬼から解任に踏み切った金委員長は近く、両氏を公開処刑するのではないかとまで言われています。また、新型コロナウイルスの国内蔓延でみずからが感染することを恐れるあまり、金委員長は食料調達などのためにやむなく自宅から出ようとする感染者の一般国民を手当たりしだいに銃殺しているとも伝えられているのです」

 これこそ、まさに恐怖政治だが、ウイルスによる金正恩暗殺説には、謀略論として片づけられない一面も存在する。かつてアメリカ大統領の側近筋からオフレコで話を聞いた経験を持つ日本人ジャーナリストもこう証言する。

「かつて高官は『CIAは北朝鮮トップを狙った暗殺の機会をずっとうかがってきた。金日成しかり、金正日しかり』と明言していた。返す刀で『CIAの暗殺方針は大統領が交代しても変わることはない』とも断言していましたから、現在は金正恩がCIAによる暗殺のターゲットになっているということです。その場合、金王朝内でエージェント、すなわちCIAの協力者を育てる、というのが典型的な手口だったそうです。ただ、『協力者が粛清を恐れたり、現実に粛清されたりして、なかなかうまくいかない』とも漏らしていましたから今回、CIAは手口を新型コロナウイルスによる暗殺に切り替えたのかもしれません」

 いずれにせよ、金委員長は友好国であるロシアや中国から飛び出した謀略情報に心穏やかでいられるはずがない。

 北朝鮮当局は「国内に感染者はいない」と豪語しているが、刑務所での受刑者の大量感染死のほか、食糧不足による民衆の大量感染死と大量餓死など、北朝鮮の非公式メディアが伝える現状は凄惨を極めている。加えて、外貨不足で側近らへの手当てが減り続ければ、忠誠心の低下と不満の増大を招くことは必至で、金王朝は下と上からで揺らぎ始めることにもなりかねない。

 そんな中、3月9日、北朝鮮は日本海に向けてミサイル3発をぶっ放したのに続き、21日にも発射。

「これは追い詰められた金委員長が当のアメリカに助け舟を求めたメッセージ」(北朝鮮ウオッチャー)

 との見方も出ている。真偽のほどはともかく、事態は暗殺説のシナリオどおりに動いていくのだろうか。

ライフ