ファーウェイが「独自OS」の高性能を謳うも世間は「問題はソコじゃない!」

 中国・ファーウェイの創業者で最高経営責任者の任正非CEOは、現在開発を進めているオリジナルOSの「鴻蒙」が「Androidより高速で、電話、自動車、データセンターなど複数のデバイスに対応するよう設計されている」と、7月4日に発売されたフランスのニュース誌「Le Point」で語ったが、ネット上では《問題はそこじゃない》との声が広がっているようだ。
 
「トランプ米大統領が6月29日にファーウェイに対する制裁を緩和すると発表しましたが、その時期がいつになるかは、いまだ不透明。そんななか、イギリスではファーウェイの中古端末の価値が75%ダウンし、タブレット市場でもiPadが6年ぶりにシェア6割を奪還するなど、ファーウェイ離れが急速に進んでいます。そこでファーウェイは制裁によって使用できないAndroidOSではなく、自社製の鴻蒙OSを急ピッチで制作しており、任正非氏の発言はそれを受けてのものだったのです」(ITライター)

 しかしネット上では、その「鴻蒙」について、《技術は認めるが、Androidよりも高速か拡張性があるかはどうでもいい》《どれだけアプリストアが充実しているかが重要。いずれにしても確実にユーチューブやグーグルマップは使えないだろう》《Appleに忖度して鴻蒙OSではアプリを出さないところが多そうだ》など、問題点はスペックではなく提供されるアプリにあると指摘する声が圧倒的だ。
 
「近々、トランプ大統領がファーウェイに対する制裁を緩和させたとしても、再び下される可能性もあり、米企業としてはアプリを提供しづらい。こうした不安定な状況が続けば、鴻蒙OSを積んだファーウェイ製品の中国外での売上は絶望的になるでしょう」(経済評論家)

 単なる“高性能の板”になりかねない。

(小林洋三)

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