毎年6月に開催され、秋に出る新作iPhoneや他製品の進化の具合が知れることで毎回注目されるのが、アップルの開発者会議の「WWDC」だ。今年は6月10日から開催され、目玉となるAI関連サービスの不在で遅れを取っていたアップルが、ようやくAI機能「アップル・インテリジェンス」を搭載したiPhoneのリリースを発表して、大きな話題を集めた。
一方、アップルほど独自の存在感はないのであまり多くの注目は集めないものの、アンドロイド携帯の今後を占う意味で注目されるのが、サムスンのGalaxyシリーズ新製品発表会の「ギャラクシー・アンパック」だ。今年は7月10日に行われる予定だが、6月26日に15秒の招待状動画を公開。AI機能搭載は当然のこととして、アップルにはない「折りたたみスマホ」で新境地を開くのではないかと注目されている。
「『AIが無限の可能性を示す』との謳い文句でしたが、それよりも注目されているのが、そこに写っている映像の方。V字型の物体が回転して地面に着地。着地点から星が出てくる模様が映し出されているのです。つまりAI搭載の、本格的折りたたみスマホが登場するのではないかと見られているのです」(経済ジャーナリスト)
折りたたみスマホが初めて登場したのは18年。すると19年にはサムスンとファーウェイでも採用され、23年にはサムスンとグーグルが本格的なものを登場させて、だいぶ様相が変わった。すると23年の世界最大規模のモバイル関連の展示会の「MWC(モバイル・ワールド・コングレス)」では、折りたたみはもちろんのこととして、巻き取りタイプのものまで登場し、ウェアラブルの観点からも、形状やコンパクト性の部分で今後は各社の開発競争が加速すると予想されていた。
「サムスンとグーグルの参戦で23年は本格的な“折りたたみスマホ元年”になるとされていました。ところがまだまだ広がりがイマイチ。その中でも折りたたみと言えばサムスンとのブランドイメージは高い。その点で今年はどれだけ折りたたみ式で進化が図られるのか。勝算に注目されるわけです」(同)
AIが登場したと思えば、今度は折りたたみ式と、スマホの進化は著しく、まさに生き馬の目を抜く世界だ。
(猫間滋)