郵便局員「配達物770件無配達」トンデモ隠匿に出た「同情論」

 日本郵便関東支社は11月2日、栃木県大田原市にある大田原郵便局の男性社員が計770個の郵便や荷物を配達せずに隠匿していたとして、懲戒解雇したと発表した。郵便法違反の疑いで刑事告訴を検討しているというが、一部では疑問を抱く声も上がっているようだ。

「同支社の発表によると、男性は2018年4月頃から22年6月頃まで那須町にあるアパートの空き室の郵便受けなど、複数の場所に配達用の郵便物を隠していたといいます。今年10月3日に大田原郵便局の別の社員が空き室の郵便受けに大量に詰め込まれた郵便物を発見し、社内調査をおこなった結果、隠匿が明らかになりました」(社会部記者)

 男性社員は「配達が遅いと思われたくなかった」と説明しているといい、他にも未配達の荷物や郵便物があることから余罪がないか調査が進められているが、ネット上では《やったことは悪いに決まっているが、この社員に任せた配達量は適切だったのか、しっかりと調査してもらいたい》《郵政民営化してから業務が複雑化したという話はよく聞く。はたから見ていても配達員は大変そうだもん》《私も配達業をしているが、配達が遅れて追い込まれてしまう気持ちは良く分かる》など同情の声も少なくない。

「昨年の10月から郵便局では郵便物やゆうメールの土・日・休日の配達を休止したため、平日の配達量が増えているといいますが、男性社員の場合は4年以上の隠匿ですから、かなり悪質とみていいでしょう。また、未配達だったのは企業が広告や販促物を送る際に利用する『タウンメール』や『タウンプラス』の荷物だったということで、配達されなくてもバレないものを狙って隠しているようにも思えます。社員であれば、郵便物を隠したり、破棄することが郵便法違反になることも分かっていたでしょうから、決して許される行為ではありません」(フリージャーナリスト)

 いったいどういった事情があったのか、再発防止のためにも詳しく調べてほしいものだ。

(小林洋三)

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