抽選会中止で不要論も…「お年玉付き年賀はがき」はナゼ始まった?

 日本郵便は、毎年実施していたお年玉付き年賀はがきと切手の抽選会を行わないことを明らかにした。新型コロナウイルスへの感染対策や経費の削減が目的で、来年以降の開催も未定というが、ネット上では年賀はがきにお年玉を付けるのをやめるべきといった声も見られる。

「お年玉付き年賀はがきは、戦後の知人の安否を確認するためにも年賀はがきでのやり取りを増やそうと、民間人の林正治氏の発案で1949年にスタートし、第1回はミシンや純毛服地などの賞品が用意されました。2回目から抽選会に演芸を加えたことで大いに盛り上がるようになり、年賀はがきの売り上げも大幅に増えていったといいます」(社会部記者)

 その後は、電気洗濯機や8ミリカメラ、カラーテレビなど賞品も豪華になり、抽選会には芸能人やスポーツ選手を招いてテレビ中継されるなど華やかに行われていたが、年賀はがきの売り上げ減少とともに抽選会への注目度も大幅に低下。2021年と22年はコロナ禍により無観客で行われていたが、ついには開催が打ち切られてしまったのである。

 日本郵便は抽選会の中止について、当選番号を知らせることが一番の目的で抽選会がなくなること自体は問題でないとしており、今年は弁護士立ち会いのもとで抽選し、15日13時頃に日本郵便のホームページで発表するという。ちなみに今年は、1等が現金30万円またはギフト券31万円分、2等がふるさと小包、3等がお年玉切手シートとなっている。

「年賀はがきの発行枚数は03年のピーク時から約30億枚減ってわずか16億4000万枚まで落ちていますし、公表はされていませんがお年玉商品の交換率は50%前後とも言われています。今どき、お年玉目当てに年賀はがきを購入するという人も珍しいでしょうから、経費削減というのであればお年玉付きをやめてしまうというのもアリかもしれません」(フリージャーナリスト)

 かつて抽選会は年始の風物詩だったが、今となっては中止を惜しむ声も聞かれない。

(小林洋三)

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