日本郵便は5月9日、2021年度の郵便物や荷物の引き受け数を発表し、前年度と比べ全体でおよそ4億4000万通減っていることが明らかになった。あまりに衝撃的な数字にネット上では《国営化に戻すべきでは?》といった声も上がっていた。
「引き受け数の内訳を見ると、普通郵便が約143億3000万通となり前年度から3億8000万通あまり減少しました。デジタル化が進んだことで、はがきや封筒でのやり取りが減ったことや、環境意識の高まりによって年賀状による新年の挨拶を廃止する企業が増えたことも影響したとみられています。また、宅配便のゆうパックも約9億9000万個となり前年度から2000万個あまり減少しています。こちらは前年度に巣ごもり需要が急増した反動と、ヤマト運輸や佐川急便らライバルが過去最高の引き受け数を記録するなど好調だったことが要因とみられています」(全国紙記者)
郵便物・荷物の引き受け数の大幅な減少にネット上では、《米国のように信書は郵政公社による独占公営を維持し、小包は民間事業者に任せるように棲み分けをすべきだった》《やはり郵政民営化はすべきではなかった。今後、デジタル化はさらに進むだろうし、日本郵便に立て直すことは難しいだろう》《このまま破綻されては困るからもう一度国営に戻した方がいいと思う》といった意見が多く見られた。
「4億4000万通減という数字の衝撃はかなり大きいですが、普通郵便を含む郵便物全体では昨年度から2.5%の減少とパーセンテージとしてはそこまで高くありませんし、郵便物の減少は想定の範囲内ですからね。どちらかといえば問題なのはゆうパックの方で、フリマアプリの配送料を値上げしたこともあり、昨年度から9.4%と約1割も減少しているのです。ただ、こちらは引き受け数が減少したのが9年ぶりということですから、今回の結果だけを見て国営化うんぬんの話は早計ではないでしょうか」(経済ジャーナリスト)
しかし、郵便物の引き受け数は20年連続で減少しており、今後も減少は続くとみられていることから、ゆうパックの立て直しは急務だろう。
(小林洋三)