音楽や動画配信、車に洋服などなど様々なサービスが誕生し、22年度には1兆円の市場規模に到達することが予想されているサブスクリプション(サブスク)。その一方で、解約ができないトラブルが相次いでいることから、5月25日に改正消費者契約法が可決。事業者には解約手続きに必要な情報提供の努力義務が課されることとなったが、ネット上では《ぬるすぎる》といった声も少なくない。
「改正法では解除権行使に必要な情報提供が盛り込まれたことで、今後サブスクを提供する事業者は利用者がサービスの解約方法が分からなかった場合、解約に必要な手順を電話やメールなどで説明することが求められるようになりました。ただし、あくまでこれは“努力義務”で、消費者団体からはより強制力の強いものを求める声もあったそうですが、事業者から慎重な意見が多かったため今回はこれでまとまったといいます」(社会部記者)
これにユーザーは、《どうせ、努力しているように見せかけてワンクリックで解約なんてできないようにすると思う》《解約しにくくするような悪意のある事業者が、強制力のある努力義務で動くとは思えない》《そもそも自動更新される仕組み自体がおかしいと思う。期限が来て更新の意思表示がなければ自動でキャンセルにしろよ》《解約の情報提供を努力義務ってぬるすぎて笑えない。サブスクは利用者が手続きしないと更新できなくするべき》など、概ね努力義務では甘い!との認識だ。
「21年度以降、国民生活センターにはサブスクに関する相談が毎月500件程度寄せられるようになったといい、注意喚起が発信される事態になっています。日本サブスクリプションビジネス振興会によれば、今後もサブスクの市場規模は拡大を続けるとみられ、最近ではユーザーの同意なく値上げした状態での自動更新が可能になるよう方針を変更するサービスも出てくるなど、今後もトラブル続出の危険を孕んでいます。努力義務だけではなかなか問題は解決しないかもしれません」(情報誌ライター)
消費者庁には、事業者よりも消費者からの声を取り入れてもらいたいものだ。
(小林洋三)