パックンが伝授!大インフレ時代を生き抜く蓄財術5カ条(2)固定費・生活費見直しのコツ

【第3条】固定支出の見直しをしよう。

 あまり変動しない定期的な支出を固定費と言いますが、気づかないうちに引き落としされているものってありますよね? 例えば携帯電話のプラン。20ギガなんて本当に使ってますか? いつも使用する環境にWi-Fiが飛んでいるなら、そのプランはほとんどいらないかもしれません。

 あとは動画配信や音楽配信などのサブスクリプション。実際、1カ月に1度も利用しなかったという人が結構いるんです。一度、クレジットカードの明細で不明な引き落としがないか、確認してみてください。

 もしくは、クレジットカードの再発行を依頼するのも手です。紛失報告をすると新しい番号がもらえるため、不要なサブスクの契約が白紙となり、自分にとって要不要が明白になります。

 他にも重たいのが車の維持費。安く見積もっても2年に1度の車検で約6万円。都内駐車場で年間約50万円。これに自動車保険とガソリン代が上乗せされるんですよ。都市部にお住まいであれば、車は持たずにカーシェアリングで十分かも。カーシェアリングなら基本料金は月額1000円弱ですからね。

 それから保険料。個人差はあるが、日本は公的医療保険が充実しているので、民間の医療保険に入るメリットはあまりないと僕は思っています。医療費の窓口負担は原則3割ですし、高額療養制度もある。民間保険については、年齢と健康状態をかんがみて見直してみるのがいいかもしれません。ただし、火災保険と車の任意保険はオススメします。

【第4条】生活費の見直しをしよう。

 ちりも積もれば‥‥と言いますが、日々の細かな出費に目を向けてみることが重要です。僕はボトルウォーターを買いません。調べてみたんですが、日本の水道水は平均1リットル約0.24円。これに対してボトルウォーターは500ミリリットルで約150円。1250倍もの高価格です! 日本の水道水はおいしいから、水道水を持ち歩かない理由がわかりませんよ。

 移動も電車の乗り継ぎではなく、数駅なら散歩をする感覚で歩きます。タクシーには絶対に乗らない。飲み会に誘われた際には、終電間近宣言をして逃れるのが僕の基本です。

 おなかが空いたら、1人の時は自炊かコンビニのおにぎり2個で満足です。

【第5条】老後を見据えてお金を育てる。

 50〜60代にとって老後はそんなに遠くない未来。その時の収入や生活環境を想像してみてほしいです。それぞれのライフステージによっても異なりますが、最初のうちは年金で十分やりくりができるとか、元気で働ける人の場合は長期投資でいいと思うし、タンス貯金をやっている人は、インフレを考えると債権の方がもっとローリスクです。

 駆け足で5カ条を紹介しましたが、僕にとってお金は自分を幸せにするツールだと思うんです。汚いものでもないし、尊いものでもない。だから崇拝もしていない。でも、ツールなのでコントロールはしていかねばならない。やはり子供の時のトラウマからお金に操られたくない、踊らされたくないといった気持ちが根っこにはあったんです。

 普段からお金の価値を正しく理解してうまく使っていけば、踊らされない日がいつか来るんだと子供の頃から信じてきました。だからこの僕が今、味わっている開放感を知っていただきたいなと思います。決してお金持ちになるということではありません。お金の心配、不安から解消されて幸せな暮らしができる。それが何よりもの望みです。

パトリック・ハーラン:1970年生まれ。米コロラド州出身。93年、ハーバード大学比較宗教学部卒業後に来日。97年、吉田眞と「パックンマックン」を結成。テレビやラジオなど幅広いジャンルで活躍中。

*週刊アサヒ芸能4月27日号掲載

マネー