7月8日、消費者庁は三越伊勢丹ホールディングス(HD)の子会社であるエムアイカードが発行するクレジットカードが景品表示法違反にあたるとして、再発防止を徹底するよう措置命令を出した。新規入会キャンペーンとして、三越伊勢丹グループの百貨店で利用すれば「初年度ポイント率8%」と謳っていたにもかかわらず、実際にはいくつもの“例外”があったという。
「違反が指摘されたのは、年会費1万円の『エムアイカードプラスゴールド』。『三越伊勢丹グループ百貨店でのご利用で初年度8%ポイントが貯まる!』と表示していたのですが、実際にはセール品や一部のブランドではポイントすら付かず、3000円未満の商品や食品、レストランでの利用も1%しか付かないなどのケースが多数あった。しかも初年度8%のポイント付与は恒常的にある特典にもかかわらず、当該キャンペーン期間中にのみ適用されると誤認を与えるとして、問題視されました」(社会部記者)
措置命令に対し三越伊勢丹ホールディングスは「意図的にわかりづらくしたわけではない」としているが、ネット上では《せこすぎる》《無意識だったことの方が問題》《他の百貨店系のクレジットカードも同じようなことをしているのではないか?》《このご時世、年会費1万円も取ろうとするのがお高くとまり過ぎている》など、批判が百貨店の体質にまで及んでいる。
「ネットショップ同様、百貨店でも積極的にクレジットカードの勧誘を行なっていますが、詳しい条件は細かい字で書かれた契約書にしか書かれていないものも多く、例外などを知らない利用客も多い。今回のエムアイカードについては、特に影響が大きかったことから消費者庁から措置命令が出されたのでしょうが、いま一度、手持ちのカードの契約書と実際の還元具合を確認してみることをお勧めします」(経済ジャーナリスト)
“そんなにオイシ過ぎる話はない”の心構えも必要だ。
(小林洋三)