消費者庁が「ジャパネット」に課徴金命令、通販サイトに潜む「二重価格」の罠

 消費者庁は12月23日、通信販売大手「ジャパネットたかた」がチラシなどでエアコンの価格を不当に表示して販売し、消費者に誤認させたとして景品表示法違反(有利誤認)で課徴金5180万円を納付するよう命じた。同社は「再発防止に努めていく」としている。

「ジャパネットは17年5月~6月に販売したエアコンを折り込みチラシや会員カタログ、Webサイトなどで『ジャパネット通常税抜価格 7万9800円を2万円引き』『さらに!会員様限定2000円値引き』などと表示していましたが、実際には7万9800円で販売していた実績はなく、通常時もチラシなどにある値引き価格5万7800円で販売していたため、いわゆる“二重価格”として同庁から指導されていたのです」(社会部記者)

 消費者庁のガイドラインによれば、「通常価格」と表示するためには2週間以上の販売実績がなくてはならないが、ジャパネットはこれを満たしていなかった。同社は15年に創業者で通販のカリスマと呼ばれた髙田明氏が社長の座を退き、新たに息子の旭人氏が就任。その後も同社は売上好調で、二代目は先代を超える売上を記録したと話題になっているが、ネット上では《先代超えには二重価格というカラクリがあったのか?》など批判が殺到している。

「二代目ジャパネットの売上が好調なのは二重価格だけが原因ではないと思いますが、実際には販売していない価格を通常価格として割引したように見せかける手法は悪質であると言えます。実は同社だけではなく、過去には『アマゾン』や『楽天』といった通販サイトでも二重価格の発覚が相次ぎ消費者庁から再発防止命令が出されています。特に大型セールがおこなわれる際には通常販売価格を何倍も高く設定して、さも大幅に割引しているように見せかける商品がSNSなどで多数指摘されているので、みなさんもぜひご注意いただきたいですね」(経済ジャーナリスト)

 セール販売時には複数のサイトで適正な「通常販売価格」をよく調べてから購入した方が良いだろう。

(小林洋三)

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