【夏の参院選】蓮舫、石原伸晃、二階伸康「敗者」3氏の出馬状況

 国民民主党の玉木雄一郎代議士が3月4日、不倫騒動による3カ月の役職停止処分を終えて党代表に復帰、記者会見に臨んだ。その席で夏の参院選で、改選4議席の4倍に当たる16議席を獲得するという強気の方針をぶち上げた。この玉木ラッパに触発され、各党とも一斉に臨戦モードに突入しつつある。注目選挙区や比例区では有力候補の名が次々と挙がる。

 政治アナリストが明かす。

「イケイケの国民民主は選挙区で元NHK記者の小林さやか氏など11人、比例区で元茨城県取手市長の藤井信吾氏など5人を擁立、一気に走りだした。また玉木氏復帰会見と時を同じくして、永田町に名前がかけめぐったのが蓮舫氏だ」

 蓮舫氏は昨年の東京都知事選に出馬したが、小池都知事に敗れ涙を飲んだ。その蓮舫氏が古巣の立憲民主党から比例で立候補するという。

「蓮舫氏は都知事選直後、国政選挙はもう考えていないと漏らしていた。だが都知事選で128万も得票するほど依然として圧倒的知名度がある。そのため比例での票の掘り起こしのためにもと、立民執行部から泣きつかれての出馬だと思います」(同)

 蓮舫氏の出馬意思にさぞかし立民内も大盛り上がりかと思いきや、実情はそうでもないらしい。立憲関係者が明かす。

「国民や維新は自公との政策協議で政策実現して盛り上がっている。しかし立民はこれといった政策、主張を示せず1党だけ蚊帳の外状態。そのため最近の世論調査では野党トップは国民で、立民は2位、3位に甘んじるありさまで苦しんでいる。中には次の参院選で他党に鞍替えする人も出る始末だ」

「鞍替え」情報が飛び交うのはかつて「筆談ホステス」の著書で一躍有名になり21年の都議選で立民から当選した斉藤里恵氏だ。

「今年2月、立民を離れ無所属となった。今年の都議選は出馬せず参院選に自民党から比例出馬するのではともっぱらです」(同)

 その自民党、参院での獲得目標は改選議席の過半数を自公で獲得(自民・森山裕幹事長)だという。まず注目は東京都だ。自民党都議が言う。

「都議会自民党でも裏金問題が勃発して、参院選前の都議選は大変厳しいと予測される。参院選では、かつて自民党幹事長まで務めた石原伸晃氏が出馬するかに注目だ。武見敬三元厚労相は6期目を目指す」

 東京選挙区には元グラビアアイドルで明石家さんま司会の「恋のから騒ぎ」(日本テレビ)で一躍有名になった塩村文夏氏が立憲から出馬、共産は次世代エースの吉良佳子氏が立候補する。

 そして地方で注目されているのは和歌山選挙区(改選数1)での自民党ガチンコ対決だ。

「自民党の世耕弘成前党参院幹事長に近い前有田市長の望月良男氏が無所属で立候補する。ここは二階俊博元自民党幹事長の三男・伸康氏が自民公認候補と決まった中での望月氏の出馬。昨年の衆院選は世耕氏と伸康氏が争い世耕氏が制している。地元は再び保守分裂選挙を懸念する声が高まっている。これで伸康さんが負ければ二階王国は崩壊、世耕王国の始まりだ」(地元関係者)

 そのほか話題の候補は新潟選挙区でシドニーオリンピック100メートル背泳ぎで銀メダルを獲得した中村真衣氏が自民党からチャレンジする。

 いずれにしても参院選まで約4カ月。決戦の夏は刻々と近づいている。

(田村建光)

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