大手旅行会社のJTBが5月24日に2019年3月期連結決算を発表し、純損益が151億円と過去最大の赤字となったことが判明。同社は打開策の一つとしてネット予約対応へ改革を急ぐとしたのだが、その後手ぶりに呆れる声があがっている。
「JTBではネットで商品を予約することは可能なのですが、決済時に店舗へ足を運ばなければなりませんでした。なぜ完全ネット予約に対応してこなかったのか会社側は理由を明らかにしていませんが、利用者層が中高年から高齢者が多かったことや、完全ネット予約なしでも黒字が続いていたことなどが考えられます」(旅行ジャーナリスト)
しかし、今回の発表にSNS上では《1990年代の話じゃないんだよね?》《国内大手の旅行代理店が未だにネット予約に完全に対応してないとは…》など、“信じられない”という声が噴出しているのだ。
「若者の旅行離れが言われていた中、最近では“インスタ映えスポット”に出向く旅行者も増え、それを狙ってか通販サイト大手のアマゾンが近く旅行業界に参入するという情報もある。そうした中、JTBは早急に対応を進めなければ、競争の荒波に完全に飲み込まれてしまうでしょう」(経済評論家)
今後、JTBは完全ネット予約化を進めながら、店舗での相談は有料化する方針だというが…。アグラをかいていたわけではないだろうが挽回への道は険しそうだ。
(小林洋三)