「ぐるなび」も赤字予想…インスタに席巻される“予約系サイト”の大ピンチ

 飲食店情報サイトでお馴染みの「ぐるなび」が、ピンチに陥っている。2019年3月期の連結決算では経常利益が前期比73.2%減の12億円と大幅に減少しており、5月時点の予測での20年3月期の最終損益が20年ぶりに35億円の赤字となる見通しとなっているのだ。
 
 そうした陥落の背景には、インスタグラムの姿が見え隠れしている。
 
「最近は、飲食店選びにインスタを利用する人が急増しているんです。例えば、『#神保町カレー』といったふうにハッシュタグで食べたいものや場所を入力して検索するのですが、そこで最もインスタ映えしている料理写真のある店をチョイスする。今の時代、料理は味よりも見た目が重要視される傾向があるため、お店選びにはインスタが選ばれているというわけです」(専門誌編集者)

 2018年10月からぐるなびはインスタと連携して、インスタから飲食店の予約ができるアクションボタンを搭載したのだが、投稿する側の手間もあってか、それほど利用者は伸びなかったようだ。
 
 インスタの脅威が及んでいるのは、何もぐるなびだけではない。美容院の検索予約ができる「ホットペッパービューティー」のサイトも、かなりの客が食われていると指摘する声もある。
 
「ホットペッパービューティーでは店だけを探して、インスタで美容師の腕前をチェックするという女性が増えています。インスタでは、実際に髪をカットしてもらった客が画像をアップするため、技術をきちんと確認することができる。しかも、インスタを見て予約した客に割引サービスをする店も多い。店としても直で予約してくれた方が、利益が上がりますからね」(経済ジャーナリスト)

 今後も、ネット予約系サイトは軒並みインスタに客を奪われることになりそうだ。

(小林洋三)

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