HISが創業来初の最終赤字転落か…旅行業界を追い込むコロナショックの悲鳴

 旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)が3月2日、新型コロナウイルスの感染拡大を受けて2020年10月期の連結業績予想を下方修正し、純損益に関し従来予想110億円の黒字を121億円下回る、11億円の赤字となる見通しであることを発表し、驚きの声が上がっている。

「HISによれば、この業績予想は旅行業やホテル業、グループのテーマパーク『ハウステンボス』へのコロナウイルスの影響が7月まで続くと仮定して算出したもので、『終息時期によっては変動する可能性がある』とも説明しています」(経済ジャーナリスト)

 現在ハウステンボスは臨時休業しているが、その影響は現在算出中で業績予想には反映されていないことから、さらに赤字額が膨らむ可能性も十分にあり得る。もし、最終赤字となれば、1980年の創業以来初のことだという。

 これにネット上では、《どこもそうだけど、特に旅行業界はコロナの影響をモロに被ってるからな》《HISはコロナの影響が7月まで続くと予想している絶望》《このままいけば中小の旅行会社は壊滅するだろう》など、改めてコロナ感染拡大の脅威を思い知る声が多く見られる。

「現在、HISは中国や韓国の大邱、イタリアのミラノなどのツアーを3月末まで中止していますが、ここに来てトランプ米大統領も日本からの入国を禁止する措置を検討していることを明らかにしたため、場合によっては海外旅行者が壊滅的に減る可能性があるのです。3月は卒業旅行シーズンですし、ハワイやニューヨークなどは学生に最も人気のある旅行先。そのため、近々に入国禁止が発表された場合はツアーのキャンセルが相次ぎ、業界は相当厳しい状況に追い込まれるかもしれません」(トラベルライター)

 まずはこの春を乗り越えなければならない。

(小林洋三)

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