中国の研究所が、感染症対策として“メスの蚊”を不妊化させる細菌に人工的に感染させた“オスの蚊”を大量生産する試みが始まっていると「ANNニュース」が報じ、ネット上では“第2のコロナ”を心配する声が殺到している。
蚊は年間100万人以上の命を奪うマラリアを媒介する主な感染源として知られ、他にも黄熱病やデング熱、ウエストナイル熱などの病気も媒介することから、世界的に蚊を減少させる取り組みが行われている。
ANNによれば、「世界最大の蚊の工場」と呼ばれる中国・広東省の研究所で、「不妊を引き起こす細菌に感染した雄の蚊が一日あたり500万匹生産されている」といい、この蚊を使い広東省の島で実験をしたところ「デング熱などを媒介するヒトスジシマカをほぼ全滅させることに成功した」というのである。
研究所の担当者は「この細菌に感染した蚊に刺されても人間が不妊になる可能性はない」と説明しているというが、ネット上では《他国が今回の手法をとらなかったのは、人間への影響、自然への影響を考えてなのでは。これはまた近い将来何かが起こりますね》《細菌によって蚊を不妊にするのに、ヒトに影響がないと言い切れるのか》《もう中国にこういうことをしてほしくない。予測を甘く見積もって、将来的に取り返しのつかないことになるのでは》などの声が相次いでいる。
「実は、不妊化させるオスの蚊を放つ実験は世界各地で試されていて、2018年にはオーストラリアでデング熱などの感染症を媒介するネッタイシマカを80%減らすことに成功しているのです。蚊の不妊化実験は決して中国に限ったことではありませんが、新型コロナウイルスが武漢の研究所から漏洩したとの指摘もありますから、中国での実験に敏感になっている人が多いのも当然でしょう。ちなみに、蚊を絶滅させた場合に自然界に与える影響は今のところまだよく分かっていないようです。ただ、蚊は一部の魚や鳥などの重要な食料源となっているため、魚や鳥だけでなくその他の多くの動物や植物を危険にさらす可能性も十分に考えられるといいます。病原菌を媒介する蚊を根絶させるとしても、その後の影響をしっかりと検証する必要はあると思います」(ジャーナリスト)
不妊蚊が人類滅亡に繋がっていた、なんてことにならなければいいが…。
(小林洋三)