日本は世界4位の「移民大国」だって!?

 難民や亡命だけでなく、仕事や留学、婚姻など理由の如何を問わず、元の居住国を離れて他国に長期間在留する移民。一般的に移民の多い国には、米国やドイツなどの欧米諸国が挙げられ、対する日本は〝移民の少ない国〟と思っている諸兄も多いだろう。

 実際、日本は難民申請が通りにくく、亡命者の受け入れにも積極的ではない。そうした報道のイメージが強いのかもしれないが、決して移民が少なかったわけではない。意外に感じるかもしれないが、日本は世界でも有数の移民大国になっていたのだ。

 経済協力開発機構(OECD)の統計の「年間の移民受け入れ数」を調べてみると、日本は米国やドイツといった上位2ヶ国からは大きく離されているものの近年は世界4~5位で推移。コロナ前の2019年には年間3200万人近い外国人が来日したが、実は日本に移り住む外国人も急増していたというわけだ。

「今の日本は深刻な労働力不足に陥っている業界も多く、資格外活動(※週28時間まで認められている留学生のアルバイト)や技能実習生に頼らなければ成り立たない状況です。いずれも永住や帰化と違って移住のハードルは低く、最近の移民増加の大きな要因になっています」

 そう指摘するのは、移民問題に詳しいジャーナリスト。また、親族がすでに日本に住んでいる場合、その者を頼って移住してくるケースも非常に多いという。

「特にアジアや南米からの移民に多いです。日本は選り好みしなければ仕事はありますし、彼らが母国の数倍の年収を稼ぐのは決して難しいことではありません。日本の人口は減り始めており、今後ますます人手が足りなくなるのは必須。当然、海外からの労働者に依存せざるを得ず、外国人労働者はさらに増加の一途を辿ることになるでしょうね」(同)

 今や街中でも当たり前のように見かける外国人。日本が多民族国家と呼ばれる日もそう遠いことではないのかもしれない。

(トシタカマサ)

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