ヒカキンもアレンジ食いを絶賛!「一蘭」のカップ麺が490円でも大ヒットのワケ

 天然とんこつラーメン専門店「一蘭」が2月15日に発売した初のカップ麺「一蘭 とんこつ」が、発売数日で約40万食を売り上げていたことが明らかとなった。麺とスープのみの具材なしでありながら490円(税込)という強気な価格に当初はネット上で《カップ麺としては高すぎる》との指摘があったものの、大ヒットを記録した要因はどこにあったのだろうか?

 一蘭によれば、カップ麺を開発するのに20年以上を費やしたそうで、「ライバルはお店の一蘭」をコンセプトに麺とスープを一切妥協せずに完成させた(製造はエースコック)自慢の一品だという。同社は公式ツイッターで事前に「一蘭から、アレが出ます。」とカップ麺登場を匂わせたこともあって発売前から大きな話題となっており、発売直後からSNS上で品切れの報告が相次ぐと、“一蘭難民”というパワーワードまで登場。なお、現在も入手困難な状況は続いており、一蘭の公式通販サイトでは3月上旬からの再販を予定しているという。

「一蘭のカップ麺がここまで爆発的にヒットした要因のひとつは、話題性の高さにあります。今まで一度もカップ麺を出していなかった名店が長い歳月をかけ、こだわり抜いたカップ麺を作った。しかも、490円もするのに入手困難。これは、一度は買ってみたくなりますよね」(フードライター)

 そしてヒットのもう一つの要因は、意外にも“具がない”ことだという。

「具がないことで、購入者が様々にアレンジをしたラーメンを作り、SNSやYouTubeにアップする流れが起き、それが宣伝となって次の購入者を呼んでいるのです。箱買いを報告して実食したヒカキンも麺の少なさを指摘しながら、麺を完食。その後にご飯を入れて『ヘタしたら麺よりスープがからんでる』と絶賛していました。490円という価格で満腹感が得られないこともあって、《やっぱり店であれこれトッピングして食べるもんだな》《普段の食事にはぜいたくすぎるかも…》といった声も少なくないので、再販が始まり供給が追いつけば、熱も冷めてくるのではないでしょうか」(前出・フードライター)

 一度は食べてみたい商品に変わりないが、「また食べたい」というリピーターを獲得できたかどうかは今後判明しそうだ。

(小林洋三)

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