3月29日に発売された明星食品のカップ麺「明星 麺とスープだけ 黄金鶏油中華そば」が、具材のないカップ麺としてネット上で話題だ。今年2月15日から発売されている一蘭の「一蘭 とんこつ」も、約2カ月で100万食を突破するなど“具なし”がカップ麺業界の新たな潮流になろうとしている。
「『明星 麺とスープだけ 黄金鶏油中華そば』は麺の他に入っているのは、だしパック・液体スープ・やくみのみで具材はありません。だしパックをお湯の中で10回ほどしゃぶしゃぶさせてだしを取るという方法も新しく、YouTubeやSNSでは食べてみた系動画が数多く公開されているのです」(フードライター)
また、具なしカップ麺の元祖ともいえる「一蘭 とんこつ」は「ラーメン本来の純粋な味わいを楽しんでいただくため」と、具材を入れず税込490円という強気な価格設定ながら入手困難な状況が続いており、「一蘭」の公式通販サイトでも入荷するたび即完売になるなど発売から2カ月という期間で100万食を達成している。
「具なしカップの麺の魅力は大きく2つあります。1つは具材をなくすことで麺とスープにリソースを注力することができ、お店さながらの麺の味わいを作り出すことができることです。ぶっちゃけて言えば、カップ麺に入っている具材で美味しいものはほぼ皆無で、そこを全部切り捨てて麺とスープのクオリティを高めたのは正解だと思います。そしてもう1つの魅力は拡張性にあります。具材が入っていないので、自分たちでアレンジが出来るということですね。新型コロナウイルスの感染拡大でお家時間が増えているので、家族や仲間でワイワイ自分好みのトッピングを考えるのも楽しいですし、また自分独自のトッピングをSNSで公開するという楽しみ方もできますからね」(フードライター)
ヒットの影響もあり、今後も続々と新たな具なしカップ麺が登場しそうだ。
(小林洋三)