【サッカー】コパ・アメリカは「激アツ」ユーロは「退屈」…評価に雲泥の差がついた理由

 ヨーロッパと南米のサッカー2大地域の国別ナンバー1を決める大会「ユーロ」と「コパ・アメリカ」が同時に開催され、日本時間の7月15日の早朝に共に決勝戦が行われた。結果はユーロはスペイン、コパ・アメリカはアルゼンチンが優勝で、試合内容やチームのパフォーマンスなどから順当な結果に終わった。ただ、内実は好対照で、ユーロは「退屈」との評判が立った一方、コパ・アメリカは「激熱」だった。

「ユーロの下馬評では、22年のカタールW杯準優勝のフランス、やはり同大会で善戦したイングランド、近年チームレベルが高いスペインあたりが優勝候補で、実際、この3チームはベスト4以上まで進みました。ところが、W杯で世界を驚かせたフランスのエースで首相のキリアン・エムバペは不発で、PKによる1得点だけ。チームも展開の中から生まれたゴールは1得点のみと、不甲斐ない結果に終わりました。イングランドもどうもパッとしない試合が続き、大会中、W杯得点王で日本のJリーグでも活躍したガリー・リネカーら同国のレジェンドOBの批判に、エースで主将のハリー・ケインが反論するという場面があったほど。ですが決勝の対スペイン戦も、守勢に回ったイングランドとスペインのボール保有率はスペインの70%に対しイングランドは30%。この両チームを伝える報道には、『退屈』、『つまらない』という文言が散見されました」(スポーツライター)

 対してコパ・アメリカ決勝は、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイの3強うち、リオネル・メッシを擁してカタールW杯を制したアルゼンチンと、3強の一角のウルグアイを準決勝で下したコロンビアとの対決。これが異例の試合だった。

「自国の躍進に狂喜したコロンビアサポーターが、チケットもないのに現地に行けばなんとかなると、スタジアムのゲートに殺到。中には空調ダクトの中を這いずってまでスタジアム内に入り込もうとする輩などもいて、逮捕者が27人も出るなど、キックオフが約80分遅れるという事態になりました。試合もメッシが相手ファウルで足首を痛め途中退場。悔し泣きするメッシの足は、びっくりするほど大きく腫れていて驚くほどでした」(同)

 それでもアルゼンチンはチームメイトが奮起し、延長戦を制してメッシの涙が報われる結果に。ところがそこで終わらないのが、また南米流だ。

「試合後の表彰式では、南米サッカー協会の副会長も務めるコロンビアの協会会長が、息子や家族も会場内に入らせようとして、またも警備員とひと悶着に。果ては警察も介入して、会長と息子が逮捕されたのです(その後保釈)」(同)

 なんとも熱いことか。また同大会は、26年W杯をカナダ、メキシコと共催予定のアメリカで開催された。本国アメリカはわずか1勝で予選リーグ敗退したが、カナダが躍進してベスト4入り。大会を大いに盛り上げたのだった。

(猫間滋)

スポーツ