サッカーW杯アジア2予選を、史上初となる全勝全試合無失点で終えた森保ジャパン。すでに最終予選(9月開幕)進出を決めている状態で臨んだシリア戦(6月11日)は、消化試合ではあるものの5-0と完勝だった。
森保一監督が試合前の国歌斉唱で毎回涙ぐむのはお馴染みで、本人は「どうしても君が代を聞くと感極まってしまうんです」と説明しているが、シリア戦では号泣しそうな勢いだった。
「シリア戦は、今年2月に開業したサッカー専用スタジアム『エディオンピースウイング広島』(Eピース)で行われましたが、これが初の代表戦となりました。そしてこのスタジアムの建設は、J1で広島が連覇(2012、13年)したことがきっかけで、当時、指揮をとったのが森保監督。監督自身、建設にも長年かかわってきたこともあって、試合前からひょっとしたら泣きはらすんじゃないかと思っていました」(夕刊紙記者)
Eピースの総工費約286億円のうち、101億円が国からの補助とはいえ、一般の人からの寄付金が6億4000万円も集まった。
「実はこのスタジアムの建設計画は何度もストップした経緯があります。建設機材の高騰などが大きなハードルとなり、建設に向けた市民の盛り上がりもいまひとつで、森保監督も『広島はやっぱりカープだから。無理なのかもしれない』と何度も諦めかけたほどです」(前出・夕刊紙記者)
しかし結果、6億円を超える寄付金が大きな後押しとなったのはいうまでもない。シリア戦では大入り満員。森保監督の目がいつも以上に潤んでいたのも当然である。
(小田龍司)