イオンのブレンド米「二穂の匠」、味は好評も価格に“ケチ”がついた理由

 コメ価格の高止まりが一向に収まらない。3月24日から30日に全国のスーパーで売られたコメの平均価格は、5キロあたり税込み4206円だった。前週より約10円高く、13週連続の値上がりとなった。

 江藤拓農林水産大臣は4月9日、石破総理大臣との会談後、今年夏までは毎月、備蓄米を放出すると発表。まずは4月下旬に、10万トンを対象にした3回目の入札を実施することを明らかにした。いい加減、今度こそ価格下落を期待したいところだが、これまでに何度も裏切られてきただけに、備蓄米放出に対する国民の関心は薄い。

 そんな中、イオンが米国産米8割、国産米2割をブレンドした「二穂の匠(にすいのたくみ)」を4月10日から順次販売開始。「イオン」「イオンスタイル」「ダイエー」「まいばすけっと」など約2000店舗で展開し、これが定着すればコメ価格の下落に一役買いそうだ。

 二穂の匠は「まいばすけっと」で2月から先行販売されており、「ふっくら感や粒立ちがよい」と味も好評、期待が高まっているが、早くも価格の面で「ケチ」がついている。

 イオンが発表した価格は税込み3002円。3月最終週の全国平均価格が4206円だったことを考えると、ずいぶん安く感じるが、実は「カラクリ」があったのだ。

「『二穂の匠』の袋をよく見ると5キロではなく4キロパッケージなのです。一般的な5キロ換算にすると税込み3750円になりますが、この価格で国産米の割合が2割では、そこまでお買い得感があるとは言いにくいでしょうね」(食品ジャーナリスト)

 過去10年間のコメの相対取引価格は、5キロ当たり1000円から1300円というレンジにあった。同じ価格帯に戻るにはまだまだ時間が掛かりそうだ。

(ケン高田)

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