イオンは9月25日より、プライベートブランド(PB)「トップバリュ」の31商品を値下げした。値上げラッシュが続く中での発表に、ネット上では企業努力を称賛する声が相次いでいるが、トップバリュをよく購入する利用者には違った印象を与えているようで、不満の声も漏れ聞こえてくる。
「値下げが実施されたのは全国のイオンやイオンスタイルなど全国約1万店舗で、『リサイクルロングトイレットペーパー』や『サラッとこくうまサラダ油』『コクとキレのしょうゆヌードル』など生活必需品の中で特に要望の多かった31商品を厳選して、2〜15%価格が引き下げられました。イオンによると、小麦や食用油など一部の原材料価格が安定し始めたことに加え、企業努力を推し進めたことで値下げが実現したと説明しています」(社会部記者)
トップバリュは2021年9月より食料品約3000品を「価格を据え置きにする」と宣言し、22年1月からは日用品2000品を加えた計5000品を、同7月にマヨネーズなど3品目の値上げを実施するまで価格を据え置いた。これが消費者から多くの支持を集め、同PBの22年の売上高は前年比10%の約9000億円となり、今年には1兆円の大台突破が期待されている。そんな消費者の味方であるトップバリュがさらなる値下げを実施するのだが、《値下げに騙されてはいけない》といった声も上がっている。
「イオンは今年からトップバリュをリブランディングするとして、全アイテムの50%に相当する約2500品目を新発売、もしくはリニューアルしているのですが、例えば1本85円だった『バーリアル』は『バーリアルグラン』にリニューアルされて118円になるなど、多くの商品が実質的に値上げされています。また、リブランディング以外の商品も価格据え置き宣言終了後はたびたび値上げが行われていて、9月にもいくつかの商品が値上げされているのですが、それについては店頭表示のみで公式サイトや公式X(旧Twitter)でのお知らせもなく、値下げする時だけ大々的に告知していることを不満に思っている利用者も少なくないようなのです」(経済ジャーナリスト)
果たして、このままで売上高1兆円に届かせることが出来るのだろうか。
(小林洋三)