イオン、有料レジ袋を紙袋に切り替えも「紙はプラより環境に優しい」は本当か

 イオンは4日、総合スーパー「イオン」と「イオンスタイル」全国523店舗の衣料品や日用品売り場などで提供しているプラスチック製の有料レジ袋を、10月5日から有料の紙袋に切り替えると発表した。しかし、ネット上には不満の声も相次いでいる。

「有料の紙袋は小が1枚20円(以下、税別)で、中・大・特大を1枚30円で提供すると言います。これまでのプラ製有料レジ袋は1枚3〜5円で提供されていたため、利用者の負担は大きくなります。同社によると、この取り組みによって、年間約6600万枚、プラスチック約450トンを削減できる見込みだといい、『これまで以上にマイバッグ持参等のご協力を呼びかけ、プラスチック削減のために取り組んでいく』としています」(社会部記者)

 日本はプラスチックの生産量が世界3位で、廃棄量は世界2位となっており、プラごみを削減していくことは日本の義務とも言われている。そのため、レジ袋の有料化だけでなく、イオン以外にも「ユニクロ」や「無印良品」などプラスチックの有料レジ袋を紙袋に変えるところが増えている。しかし、日本から毎年排出される廃プラスチックのうちレジ袋が占める割合は2%に満たないほどで、プラスチック削減にレジ袋ばかりが狙い撃ちされることに疑問の声も少なくない。

「レジ袋は家庭でゴミ袋として再利用されることも多いため、レジ袋が有料化された際にはプラ製の袋をまとめ買いするようになった人が増えたと言われています。その結果、レジ袋有料化によってプラごみの削減にはほとんど影響が無かったとの指摘もあるのです。プラ製のレジ袋はゴミ袋として再利用できますが、紙袋では代用できないことから《むしろゴミが増える》といった批判の声もあります。また、再生紙を作るにはプラごみのリサイクルよりもエネルギーを使い環境負荷が大きいとの報告もあり、プラから紙にしたからエコと言われても納得がいかない人が多いのではないでしょうか」(フリージャーナリスト)

 たしかに高い紙袋にすればマイバッグ利用者は増えるだろうが、プラ袋が削減された分、紙袋がどれぐらい提供されたのか、具体的な数字として発表してもらいたいものだ。

(小林洋三)

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