参院選で過半数割れの惨敗を喫した自民党で、石破茂総理の退陣を迫る“石破おろし”の声が強まっている。参院選の公約に国民1人あたり2万円の給付を盛り込んだが、「減税」を掲げる野党に議席を奪われる形となった。
政局に注目が集まる中、自民党元幹事長の石原伸晃氏が7月26日、日本テレビ系「サタデーLIVE ニュースジグザグ」に生出演。減税を強く否定したことで視聴者から総スカンを食らっている。
スタジオでThe HEADLINE編集長の石田健氏から「減税を国民が求めているけど現実的じゃない」「もっと長い目で日本の未来を見てください」というメッセージが国民に届いていないと指摘を受けると、石原氏は「私はずっと言ってますよ。消費税の減税は反対。社会保障の充実。そのためには福祉目的税である消費税は絶対必要ですよ」と強く訴え、こう続けた。
「現世代が利益をこうむって、次世代にツケを送る。これは保守党であるならば、そういうことを言やあいいんですよ。消費税の減税法案が出てきたら堂々と反対やって、それを国民の皆様が選んだ野党の皆様がその政策を取るっていうことであるならば、政権交代しなくてもできるわけです」
党内にくすぶる「下野すべき」との意見を真っ向から否定した石原氏。その後、番組で小泉進次郎氏や小林鷹之氏といった“ポスト石破”に推される若いメンバーを挙げると、石原氏は「(リーダーに)なれます。能力上がってる」と太鼓判を押した。
コーナー終盤、「自民党に何が足りない?」という質問に、「党としての軸」と回答した石原氏。「現実を見据えて、志を高く持たなきゃダメだと思いますよ。消費税頑張んなきゃ。中福祉中負担って言わなきゃダメですね」と締めくくったが、SNSでは《消費税を頑張るって何?》《増税の捨て台詞吐いた》《自民党で消費税20%ですか?》などと猛反発するコメントが相次いでいた。
「石原氏は1990年の初当選から衆院議員を10期務め、2007年には党の政務調査会長、10年には幹事長に抜擢されました。かねてから減税には慎重な姿勢を示し、20年の会合で『消費税ゼロなんて言っちゃダメ』と発言して物議を醸し、翌21年の衆院選挙で落選。今夏の参院選に出馬する意向を示していましたが、直前の6月に政界引退を表明しています。一線を退き、『外から政界を見ていく』という立場上、堂々と消費税減税に待ったをかけることができるかもしれませんが、『消費税を頑張る』という発言はさすがに多くの視聴者から反感を買ってしまったようです」(メディア誌ライター)
野党が訴えた減税の公約は果たされるのか。国会の議論を見守りたい。