阪神は7月27日、甲子園で行われたDeNA戦に7-1で勝利した。後半戦初戦の前日に続いての2連勝。貯金を最多の20とし、DeNAの自力優勝の可能性も消滅させた。投げては今季2度目の先発となった高橋遥人が、6回途中6安打1失点で317日ぶりの勝利を手にした。
前夜は2-0で先発・才木浩人が完封勝利したが、この2連戦で阪神ファンが注目したのは、いずれも坂本誠志郎が捕手を務めたことだった。というのも、今季は通常、才木の捕手は梅野隆太郎が務めていたが、今回は4月1日以来、2度目となる坂本を起用。さらに「左尺骨短縮術後に対する骨内異物除去術」から復帰2戦目だった高橋も、前回の復帰初戦となった中日戦では梅野がマスクを被ったが、この日は坂本に変更されたからである。
藤川監督は第1戦終了後、坂本の起用の意図について「梅野は梅野の良さがありますし、栄田(裕貴)には栄枝の良さがありますから。捕手だから、というよりは、才木が四球がないということは、ピッチングフォーム自体、投手として改善されてきたというところですから非常に楽しみ。後半戦楽しみですね」と、はっきりとは口にしなかった。
しかし、2戦目も坂本がスタメンだったことに対し、SNS上で阪神ファンからは「いよいよ梅野の出番がなくなってきたな」「これが梅野に対する現場の評価。事実上の戦力外」「しょうがないな。坂本のほうが結果出してるからな」などの声が集まった。近年、虎党の間では、梅野と坂本をめぐる正捕手論争が続いてきたが、どうやら坂本に軍配が上がったという印象を受ける状況だ。
さらにそんな中、虎党の間で注目されているのが梅野の1000打席契約説だ。
この説は昨年のCSで阪神がDeNAに2連敗で敗退が決まったあと、岡田彰布監督(現・オーナー付顧問)が3回から梅野を交代したことについて「普通やったら梅野使わへん言うてるやん。それだけのことやん。来年のためやったらのう」と答えたことがきっかけ。仕方なく梅野を使っているというニュアンスがあるため、2021年オフ、梅野がFA残留した際、球団と何らかの契約を結んだのではとの疑惑がささやかれるようになった。
そして今回のDeNA戦直前、梅野はFA残留後1001打席に到達。そのタイミングでスタメン起用されなくなったため、「1000」が出場機会を保証する打席数だったのではないか、加えて、昨年の岡田監督は梅野の打席数を消化させるミッションを遂行していたのではないか、との憶測が広がったのだ。
さすがに想像力がたくまし過ぎる気もするが、今後、梅野の起用法がどうなるか注目したい。
(鈴木十朗)