若者の視力危機!急増する「スマホ白内障」の初期症状

 演出家の宮本亞門氏が自身のSNSで、白内障の手術を受けたことを公表したのは、2月4日のこと。

 宮本氏によれば、4、5カ月前から急に目がぼやけ、運転をしていても怖くなってきてしまったため眼科を受診したところ白内障になっていたことが判明。そこで《一生、目を大切にしていきたいんで》と手術を決意。成功に安堵したことを伝えている。

 白内障とは目の中のレンズにあたる「水晶体」が濁ることでモノが見えにくくなったり、視界が悪くなることで、日常生活に支障をきたしまう病気だ。水晶体は視界のピントを合わせたり、網膜に像を映し出す働きをしているもの。そのため、それが白く混濁してしまうと物がぼやけて二重に見えたり、視界が霧がかったように見える、あるいは光が眩しくなるなどの視機能に様々な症状が現れることになる。

 白内障は老化現象の一つとされ、患者数の8割は60代以上。つまり、発症原因の一番は老化によるものだとされてきたが、スマホやパソコンが日常生活に欠かせない存在となった近年では、「スマホ白内障」と呼ばれる若年性白内障が、若年層の間でも急増していると言われる。

 通常、老化現象による白内障の場合、水晶体の「タンパク質変性」が原因のため、症状は両目に現れる。一方、若年性白内障は、片方の目に起こり、しかも急激に症状が進行するのが特徴。見えづらくなって眼科医を受診、手術を勧められ、思案している1?2週間のうちにレンズが真っ白になってしまい、緊急手術を余儀なくされるケースも少なくないという。

 若年性白内障の原因として挙げられるのは、パソコンやスマホの長時間使用に加え、生活習慣病や紫外線によるダメージのほか、アトピー性皮膚炎や花粉症、アレルギー性結膜炎などで目をこすることも原因の1つとされる。

 そのため、日常生活のなかでできる予防法としては、まずはサングラスやUVカット眼鏡、帽子や日傘を使用して紫外線から目元を守るようにすることだ。また、生活習慣病も若年性白内障の原因となるため、バランスの良い食事や適度な運動、禁煙などを意識して、生活習慣病を防ぐことも必要。ただ、ゆで卵の白身が透明に戻らないのと同様、白内障は一度発症すると、自然治癒することはない。しかも放置していると進行し、場合によっては緑内障などの重篤な眼疾患を引き起こすことも考えられるため、早期発見・早期治療が必要だ。

 白内障手術にかかる費用は保険適用なので、だいたい2万円~5万円程度。片方の目の手術にかかる時間も10分程度なので、目のかすみや光の眩しさを感じたら、眼科を受診してみること。放置していても自然治癒しないので、要注意だ。

(健康ライター・浅野祐一)

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