「隅の方から見たい」原辰徳氏、自身は叶えられなかった“70億円補強”阿部巨人への本心

 巨人前監督の原辰徳オーナ付特別顧問が1月14日、客員教授を務める千葉・勝浦市の国際武道大で講義を行った。

 そこでは、甥である菅野智之投手がMLBオリオールズへの移籍を決めた経緯について触れ、「何年契約がいいなんてことは言わない方がいい。まずは1年勝負!」と助言を贈ったことを明かした。

 気になるのは、昨季15勝したその菅野が抜ける阿部巨人の2年目の展望だ。特に予定外の補強となった田中将大投手について原氏は、「人生っていうのは、起点とか分岐っていうのがどういう状況でもある。それをどう活かしていくかが重要。いいマー君が出ることを願うばかりだよ」と話した。

 阿部慎之助監督は田中について、春季キャンプから調整を選手に一任する特別班「S班」に入れることを明かしている。

「田中は昨季ほとんど実戦で投げていないことから、コンディション作りの問題が一番大きい。阿部監督は再生にあたって、菅野を復活させた久保康生巡回コーチに一任することを決めましたが、そんなVIP待遇で結果が出なければ大変なことになる。しかも一方で、中日からライデル・マルティネス投手、ソフトバンクからは甲斐拓也捕手を獲得し大型補強に動いた。阿部監督にもう逃げ道はありません」(巨人担当記者)

 原氏は監督時代、何度も大型補強を球団にリクエストしていたが、結局は叶わなかった。

「空前の70億円補強で今季を迎える阿部巨人について『どういうチームを作るのか。隅の方から見たい』と話していた原さんですが、“オレもその戦力でやりたかった”とどこかで思っているはずですよ」

 阿部巨人が万が一つまずけば、原氏の中で“現場復帰”の意欲がムクムクと膨らんでくるかもしれない。

(小田龍司)

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