政府備蓄米の一般販売がようやく本格始動する一方、「できるだけ安価で安全なコメを」という消費者の期待は高まるばかりだ。
そんな中、5月29日に、生活用品大手アイリスオーヤマの子会社「アイリスアグリイノベーション」が運営する宮城県亘理町の亘理精米工場に、令和4年産政府備蓄米12トンが搬入。随意契約で調達したこのコメは「和の輝き」として販売され、パッケージには「政府備蓄米」を表すシールが貼られた。販売価格は5キロあたり2000円(税別)。通常流通米と比べ約3割も安く、家計を支える一助となりそうだ。
同社は29日午後から公式通販サイト「アイリスプラザ」で予約を受け付け、6月4日から順次発送を開始。また同日より、仙台市や川崎市の一部ホームセンターでも店頭販売をスタートしている。
こうした動きに、消費者からは《助かる》《ありがたい》といった歓迎の声が上がる一方、購入手続きへの戸惑いも少なくない。というのも、アイリスプラザでの購入には「会員登録」に加え、「メルマガ購読」も必須となっているためだ。購入が1人につき月1回、1点限りと数量制限が設けられているため、会員登録自体は重複購入防止の観点から理解できるものの、なぜメルマガ購読まで強制されるのか、疑問を抱く人は少なくないようだ。
政府備蓄米の有効活用は、市場価格を下支えしながら家計を応援する施策だ。だからこそ、消費者が安心して利用できるよう、柔軟かつ透明性の高い購入環境を整えることが、今後の課題なるだろう。
(ケン高田)