原巨人が密かに進める「侍ジャイアンツ化計画」

 3月9、10日のメキシコ代表チームとの強化試合を控えた侍ジャパンが28人のメンバーを発表した。11人が初招集という若手中心のチームとなった。

「各チームの若手に経験を積ませるためです。東京五輪での金メダル獲得のため、国際試合を経験させ、全体のレベルアップになればと。五輪本番まであまり時間がないので、経験の場はこれが最後かも」(スポーツ紙記者)

 侍ジャパンの檜舞台を経験したかつてのWBCメンバーの大半は、ベテランとなって今もそれぞれのチームを支えている。こうした状況に“敏感”なのが、巨人の原辰徳監督と読売グループといえそうだ。

 丸佳浩、炭谷銀仁朗、中島宏之、岩隈久志。原巨人が18‐19年オフに外部補強した日本人選手は皆、侍ジャパンを経験している。ほかにも、森福,上原、菅野、戸根、阿部、坂本、岡本、亀井など、侍ジャパン経験者を多く抱えている。

「原監督が中島の獲得を決めたのは、第2回WBCで強い印象を持ったからだと明かしていました。岩隈も若手投手に変化球を伝授し、短期間でチームに溶け込んでいます。国際試合を経験したベテランの言葉ですから、説得力もあります」(前出・スポーツ紙記者)

 コーチングスタッフを見渡してもそうだ。相川亮二、杉内俊哉、村田修一、片岡治大も代表チームOBである。原監督自身も代表チームの指揮官だった。

「巨人前GMの鹿取義隆氏は侍ジャパンのテクニカルディレクターに復帰しました。鹿取氏は読売新聞スポーツアドバイザーにも就任しています。読売グループ内で要職に着くOBが侍ジャパンの業務を兼任するわけです」(ベテラン記者)

 今回の初招集メンバー11人中、巨人選手は1人だけ。他球団から選出された10人のなかからも、将来の巨人移籍者が出るのだろうか。かつて「侍ジャイアンツ」なる野球漫画があった。新生・原巨人が広島の4連覇を阻止したら、そんな異名も定着しそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

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