原巨人が求める新リードオフマン、FA移籍の梶谷が「1番」を嫌う理由とは?

 梶谷隆幸外野手(32)の巨人へのFA移籍が決定した。「1番・右翼」の新打線構想が伝えられたが、「そのタイプではない」の声も聞こえてきた。それも、古巣・DeNAからである。

「梶谷自身が『1番』の打順を嫌っているんです。試合前、コーチが『今日は1番で行くゾ』と伝えるのですが、『えっ〜、そのタイプじゃないんですよ』と返し、本当にイヤそうな顔を見せていました」(球団関係者)

 とはいえ、今季の梶谷は106試合に「1番」でスタメン出場し、打率3割2分3厘、出塁率3割8分7厘とDeNA打線を牽引してきた。それに対し、巨人・原辰徳監督は吉川尚輝(25)にリードオフマン定着を期待していたが、開幕第3戦目にして湯浅大(20)と交代。それも日替わり状態となり、中盤戦は坂本勇人(32)が1番、吉川尚を固定できたのはチームが独走状態に入った終盤戦以降だった。

 将来的にはともかく、現時点では「1番・吉川尚では物足りない」というのが原監督の正直な気持ちだろう。

「梶谷は甘いボールがきたら、初球からでも打ちに行きたいタイプです。その結果として出塁率も高まるのなら御の字ですが、事前に『1番だから高い出塁率を』と求められるのがイヤなんでしょう」(前出・球団関係者)

 打撃指導にしても、信用したコーチの助言には従うが、「合わない」と思ったコーチとはずっと距離を置いたまま。気難しい一面もあるようだが、コミュニケーション能力に長けた元木大介ヘッドコーチ、旧ベイスターズ出身の石井琢郎コーチがフォローすることになりそうだ。

「今季、梶谷を1番に定着させた経緯として、筒香嘉智(29)の米球界移籍もありました。佐野恵太(26)を新4番バッターとして育てるうえで、その精神的負担を少しでも軽減させるために、下位打線で貯めた走者を『1番・梶谷』で一気に返そうという狙いでした」(スポーツ紙記者)

 引き立て役ではモチベーションも上がらない。新打線を機能させるためにも、原監督は梶谷に何を期待しているのかを改めて説明する必要がありそうだ。

(スポーツライター・飯山満)

スポーツ