原巨人が左のリリーフに「二刀流」指令!スイングはバリー・ボンズ級だった

 巨人の左腕リリーバー・戸根千明投手が二刀流に挑戦中だ。「迷っていたところを、原監督に背中を押された」と話していたが、もし戸根が成功したら、本家二刀流・大谷翔平とは異なる選手像が確立されそうだ。

「2018年のファンフェスタで戸根はホームラン競争に出ています。巨漢から繰り出される鋭いスイングで野手顔負けの打球をライトスタンドに打ち込んでいました。戸根の打撃力、長打力は巨人ファンの間で知られています」(スポーツ紙記者)

 戸根のスイングと打球スピードは「バリー・ボンズみたい」と一部の関係者から褒められていたそうだ。

 戸根は投手と野手の二刀流を歩むことになったわけだが、その起用法は大谷とは大きく異なるだろう。セ・リーグの野球に適した“兼任投手”となりそうだ。

 そもそも、指名打者制のないセ・リーグでは、ピッチャーも打席に立つ。この「ピッチャーが打席に立つ」ことが試合中盤の明暗を決めることがある。たとえば、次の自軍の攻撃イニングでピッチャーに確実に打順がまわるとする。ベンチとすれば、このイニングを投げきってもらい、攻撃イニングで代打を送るのが理想形だ。しかし、そういうときに限って、ピッチャーが最後のひと踏ん張りができず、走者をためこんでしまう。

「ベンチとすれば、リリーフを送りたくても、次の攻撃イニングで代打を出すことになるので、ピッチャーを一人余計に使ってしまいます。次の攻撃イニングで打順のまわってこない野手も一緒に交代させ、その野手の打順にリリーフ投手を入れ、投手の打順のところに野手を入れるなどして調整しています」(ベテラン記者)

 こうした事情もあって、ピンチでリリーフ投手を出し惜しみして、大敗を喫する試合も少なくない。

 しかし、この投手と野手を同時に交代させる方法も、野手を一人無駄に消耗させるだけ。そこで、重宝されそうなのが戸根だ。戸根をリリーフに送り、そのまま打席に立たせるというもの。ピッチャーと同時交代させる野手、そして、代打を無駄に消耗しなくて済むというわけだ。

「戸根がスタメンに入っていたら、ワンポイントで投げ、また守備に戻るという作戦も可能となります」(前出・ベテラン記者)

 原辰徳監督は「セ・リーグも指名打者制に」と訴えていた。投手が打席に立たない、高い攻撃力を誇るパ・リーグに対抗するためだが、打撃力の高い左のリリーバーが定着すれば、セ・リーグの野球スタイルも確実に変わる。原監督はDH制導入を訴える一方で、セ・リーグ版二刀流のアイデアも同時に温めていたのかもしれない。

(スポーツライター・飯山満)

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