気象庁の長期予報では暖冬のはずだったが、12月に入って各地で15度を超える記録的な陽気になったかと思えば、雪の少ない九州や四国で積雪を観測するなど、不安定な天気が続いている。北陸や甲信越、東北、北海道などでは局地的大雪に見舞われるところもあり、なかでも観測史上初となる豪雪で市民生活に大きな影響が出たのが北海道留萌市だ。
12月28日時点の積雪量は、市内中心部で125センチ、郊外の幌糠地区では190センチと例年の約4倍。17~18日にかけては24時間で90センチの雪が降るなど連日のドカ雪で、市内の路線バスは27日朝まで10日間運休。しかも、除雪が追いつかずに道路脇に雪が高く積まれ、一部のバス停は標識が完全に埋もれていた。
建物の屋根も大量の雪で覆われ、留萌市は人口の4割が高齢者なので自分たちで除雪することができない。これ以上降れば建物が倒壊の危機にある状況だ。
物流にも大きな支障が生じており、スーパーやコンビニの一部店舗では品薄状態が続いていた。しかも、タクシーは台数が少ないので予約しようにも長時間待たされ、吹雪の中で歩いて買い出しや病院に向かう高齢者も少なくなかった。
そうした様子はテレビでも報じられたが、市民からは批判の声が上っていたのだ。留萌市在住の70代男性に話を聞いた。
「テレビ局の奴らは雪まみれになって歩いとる我々の姿を面白がってカメラで撮ってるだけ。そもそもあいつらは車で来てるのに取材に協力しても車に乗せて送ってくれるわけでもない。はっきり言って邪魔じゃよ」
現地はテレビ各局や新聞各紙の取材班で溢れかえっており、市内のホテルはマスコミ関係者だらけとの情報もあった。いくら報道とはいえ、もう少し地元住民への配慮があってよかったかもしれない。