新幹線「札幌延伸」は大丈夫?JR北海道「特急減便」に見る業績悪化の深刻度

 コロナによる利用客減少で今期の業績が大きく落ち込んでいる鉄道各社。特に深刻なのが全区間赤字のJR北海道で、「国鉄末期並みに悲惨な状況」とも一部で言われている。

 分割民営化された当初から懸念されていたことだが、30年以上経った今も赤字体質のまま。16年3月に開業した北海道新幹線は、コロナ以前から繁忙期以外は乗車率が期待していたほど伸びずに苦戦している。

 そんな中、経営状態を圧迫する要因のひとつになっていた収益性の低いローカル線を次々と廃止。実際、近年だけで江差線(14年)、留萌線の留萌〜増毛(16年)、夕張線(19年)、札沼線の北海道医療大学〜新十津川(20年)の4路線が消えている。さらに15年1月の高波被害で不通になったままだった日高線の鵡川〜様似の116キロの区間も21年4月1日で廃線になることが沿線の自治体との間で先日合意された。

 また、それ以外の路線でも利用客が極端に少ない18駅が来春での廃止に向けて地元の各自治体と協議中だ。

 ほかにも来年3月のダイヤ改正以降、道内を走る特急列車の本数が減便されることも決定。札幌〜函館で1日24本が定期運行されている特急「北斗」は定期20本+臨時2本という扱いに。札幌〜旭川を結ぶ「カムイ」「ライラック」は合わせて定期48本から44本+臨時4本、旭川〜稚内の「サロベツ」は定期4本から2本+臨時2本、旭川〜網走の「大雪」は定期運行4本がすべて臨時列車扱いに変更される予定だ。

 しかも、「北斗」は現在の7両から5両、札幌〜釧路の「おおぞら」も6両から5両と短い編成になる。そして、道内では利用客がもっとも多い札幌近郊の普通列車も上下線合わせて1日最大20本程度の減便になるという。

 2030年度末には北海道新幹線の札幌延伸が予定されているが、道内では「経営をさらに圧迫させるのでは?」と不安視する声も多い。

 半世紀前までは網の目のように張り巡らされていた北海道の鉄道網も今やスカスカで、今後は減便で利便性まで低下。これも時代の流れと言えばそれまでだが、一抹の寂しさを感じる人はきっと多いはずだ。

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