年末年始の過ごし方「在宅76%」で出費減?「帰省自粛」に安堵する親世代の声

 新型コロナウイルスの感染者数が減少に転じる気配を見せず、菅総理や各都道府県の知事が外出の自粛を呼びかけるこの年末年始。デート情報や結婚に向けたノウハウなどを紹介するサイト「縁結び大学」を運営する株式会社ネクストレベルが18〜49歳の男女を対象に行ったアンケートによると、年末年始の過ごし方について「帰省」と答えたのは13.1%で、「観光地へ旅行」はわずか0.4%。圧倒的に多かったのが「自宅で過ごす」の76.5%だった。

 静かな正月となるのは間違いなさそうだが、「それでも余計な出費をせずに済むのは不幸中の幸い」と話すのは40代の男性会社員。確かに、家族4人で旅行となれば国内でも例年なら20〜30万円、行先が海外なら場所によっては100万円を超す。帰省でも実家が遠方だと費用はバカにならないだろう。

 しかも、帰省の場合は滞在中に親族と顔を合わすことも多く、甥っ子姪っ子にはお年玉を渡さなければならない。住信SBIネット銀行が2019年12月に行った「お年玉に関する意識調査」によると、「お年玉をあげる予定がある」と回答した方の平均支出額は2万6642円。サラリーマンの平均的な1カ月の小遣い3分の2を占め、親世代としては大きすぎる出費だ。

「ウチは子供がいませんが妻は4人兄妹だからお年玉を渡す人数が多く、それだけで毎年4〜5万円消えていました。帰省を中止したことで甥っ子たちは残念がってるようですけどね(苦笑)」(30代男性・会社員)

 コロナ禍で給料やボーナスをカットされた人は多く、その状況で帰省費用やお年玉を捻出するのは大きな負担。帰省して親類の子と顔を合わせれば渡さないわけにもいかないし、かといって前の年より減らすこともできないだろう。

「特にこの年末年始は大雪です。実家は新潟の山間部なので雪の影響で戻って来られず、仕事始めに間に合わない可能性もあったはず。不謹慎な考えなのは承知しているが、帰省しなくて済む口実ができてよかったのかもしれない」(50代男性・公務員)

 さらに収入が下がる可能性があることを考えれば、1円でも多く手元には残しておきたいところ。子供は臨時収入が減ってガッカリしているかもしれないが、世の親たちはホッと胸をなで下ろしているのかもしれない。

(トシタカマサ)

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